吉田たかお演説集

「子ども憲章推進条例」賛成討論

平成23年(2011年)3月15日 京都市会本会議場

※子どもを取り巻く環境が激変する危機感から、京都市あげて市民ぐるみの取り組みが進んでいます。平成19年に制定された市民憲章の実践をいっそう推進する目的で提案された条例案に対し、クリエイティブな政策論議を喚起する賛成討論に立ちました。
 

【はじめに】
 討論に先立って、東日本大震災で犠牲になられた方々に、謹んで哀悼の意を表すると共に、被災者の皆様に、心からお見舞い申し上げます。

 公明党京都市会議員団は、今議会に上程されております「子どもを共に育む京都市民憲章の実践の推進に関する条例」について、様々に議論を重ねました。

 その結果、条例案に賛成するとともに、憲章を推進する施策のいっそうの充実を求めるとの態度を決定しましたので、以下に討論を行います。
 

【衆知結集した理念に賛成】
 本条例の目的である「子どもを共に育む京都市民憲章」の実践を推進するとの理念には、大いに賛成であります。

 3年間にわたり「子どもを共に育む京都市民憲章」の普及啓発と実践に努めてこられた関係者の皆さん、とりわけ人づくり21世紀委員会の皆さんに敬意を表したいと存じます。

 わが議員団は、京都市HPにアップされた条例制定検討委員会の7回にわたる会議録と、パブリックコメントなどの資料を徹底的に精査しました。

 また、教育福祉委員会所属の私自身、7月28日に京都会館で開催されたフォーラム分科会や、11月29日にこどもみらい館で開催された市民シンポジウムに参加し、パネラーの皆さんの議論や、参加者の方々のご意見などを傍聴いたしました。

 上程された条例は、真摯で熱意ある議論が反映しており、構成においても、第1章において、保護者・地域・学校・事業者などの主体の責務を明らかにし、第2章で憲章の実践に関する基本的方策を多角的に明記。

 第3章で児童虐待など緊急を要する事案への方策を定め、第4章以下に、理念に終わらないよう推進協議会設置を定めると共に、3年を目途とした見直し条項を明記するという、まさに衆知を結集して練り上げられたもので、多くの市民から賛同を頂けるものと認識しております。
 

【緊急課題への個別条例が必要】
 しかし一方で、パブリックコメントに寄せられた「371件」の市民意見のうち、児童虐待や児童ポルノ、携帯電話の弊害など、緊急に取組むべき方策に対しては、実に「136件」と、全体の3分の1、他の項目と比べても倍の分量の意見が寄せられており、3年を目途とした見直し規定についても、「3年後に見直すというのは遅い、子どもの命にかかわる緊急課題は待ったなしである」という趣旨のご意見も多くありました。

 また、第5回条例制定検討委員会において、藤岡委員長は、「細かい予防策を講じようと思うと、それ自体の条例を作らないと講じられない」と発言しておられます。

 8月4日におこなわれた市民公聴会の分科会でも、参加者から「罰則はこの条例にはなじまないので、他の法令で定めるべき」というご意見や「子どもを守るために実効性あるものにするには、各問題に特化した条例にするべき」というご意見が出ていました。

 公明党議員団といたしましても、これらの議論を重く受け止め、児童虐待等を防止する条例や携帯電話の弊害から子どもを守る条例を、新しく個別に制定していく必要があるのではないかと考えております。

 今回の条例制定が大きなきっかけとなると期待しておられる市民の皆さんのご期待に答えるため、喫緊の課題に特化した第三者委員会の設置や、新たな市民意見を募集するなどの具体的な取り組みを、はばひろく推進していくことを提唱するものです。

 このことを強く申し上げ、賛成討論といたします。ご静聴ありがとうございました。

(地方分権が進む中、議会が“追認機関”になっているとの疑念を払しょくするため、行政から提出される議案に対し、徹底的に精査して議論を重ねることを宣言するとの思いで登壇しました。先駆して頑張ります)


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