平成19年(2007年)10月29日 吉田たかお事務所
※子育て世代のお母さんたちに、定期的にお集まりいただき懇談会を開催しています。第1回目は、12名の方が活発な意見を交換していただきました。
【あいさつ】
皆さん、こんにちは。本日はお忙しい中をお集まりいただき、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
本日スタートする「コスモス懇談会」は、上京区にお住まいの子育て世代のバリバリ元気なお母さんたちに、教育問題や子育て支援などの政策について、忌憚のない生の声を寄せていただき、京都市へのご提案やご意見を届けてまいりたいとの思いで、呼びかけたものです。
お忙しい皆さんですので、ひんぱんには開催はできないかもしれませんが、年に2,3回くらい定期的にお集まりいただき、貴重なご意見を頂戴できればと思っています。どうぞ、よろしくお願いいたします。
【CAPについて】
さて、皆さんのご支援をいただいて、4月に京都市会議員選挙に当選し、京都市会に送っていただきました。1年目は文教委員会に所属しています。文化芸術とか教育、人権問題、地域コミュニティーという、大切なテーマを担当していまして、大変な重責に武者ぶるいしていますが、3人の娘の父親として、皆さんの声を代弁していきたいと決意しています。
5月には、さっそく本会議で代表質問をさせていただきました。公明党市会議員団は、当選ホヤホヤの新人議員がデビュー議会で代表質問するという伝統があるらしいのです。ビックリしますよね。
必死で勉強し、どうにかこうにか原稿を書き上げ、5月28日に心臓がバクバクするなか、代表質問をしたのです。そのなかで、以前から調べていた教育問題も取り上げ、元気いっぱいに論じました。
(ここで、「生中継視てましたよ」と声がかかり、ひとしきり、苦労話や髪の毛がはねていたこと等が話題に。和やかな雰囲気となりました。その後、話がもどり、挨拶を続けました)
「公明党京都府本部ローカルマニフェスト」にもあった「CAP」を覚えておられますか? 選挙の時にも話題になっていましたが、いじめや虐待への取り組みのプログラムです。子どもたちが、いじめ、誘拐、虐待、性暴力などから自分で自分を守れるように、持っている力を引き出すことの大切さを教えるというもので、現在は各地で広がっています。
公明党では、各県で前向きに取り組んでいて、福島県での先進事例が公明新聞にも掲載されていました。また、右京区選出の湯浅議員も、以前に京都市会本会議で取り上げていたものです。
このプログラムのワークショップを学校の授業に取り入れ、児童・生徒や教職員、保護者などを対象に実施した自治体では、大きな成果が上がっているらしいです。
実際に受講した児童からは、暴力やいじめへの対応方法を学ぶ中で、他人へ暴力をふるう愚かさと、他者を大切にすることが結局自分を大切にすることにつながるとわかりました、との共感の声が寄せられているとのことで、多くの子どもや保護者から参加して良かったと評価している結果が出ています。
私自身、京都で中心的に活動しているNPOの方を訪れ、いろいろと取材させていただいたところ、CAPの理念と実践によって、子どもの人格を尊重し理解して接する社会に変わっていく可能性が高まるのではないかと感じました。
ぜひとも地域ぐるみで取り組み、普及していく価値があると主張し、具体的な取り組みを訴えました。門川教育長から、段階を踏んで、まずはモデル校を導入するなど、段階を踏んで推進すると答弁がありました。今後の推移を見守りたいと思っています。
【学校裏サイト】
それから、いま文教委員会で6月から何度も繰り返し取り上げているのが、「学校裏サイト」の問題です。教育現場でいじめや不登校が問題になっていますが、ここ数年、教師や親の目の届かない新しいタイプのいじめが深刻化しています。
携帯電話やパソコンの普及に伴って、インターネットで出会い系サイトやワンクリック詐欺などの有害サイトが社会問題となっていますが、ホームページやブログを使って特定の個人を集中的に言葉の暴力で攻撃する、いわゆる「ネットいじめ」が、神戸市の高校生自殺などの悲惨な事件につながっているのです。
特に、「学校裏サイト」と呼ばれるものは、子どもたちが立ち上げた学校情報交換目的のネット掲示板でして、ある調査によると15,000以上も種類があって、誹謗中傷やデマ、わいせつ画像のやり取りがエスカレートしているというものです。子どもたちの心が、親の知らないうちに蝕まれているという、何とも言えない危険な実態が、上京区でもあるのかもしれません。
調べたところ、インターネットに接続できる携帯電話を子どもたちが自由に使える国は日本だけらしいです。イギリスでは9月から「ネットいじめ防止キャンペーン」が国の予算で始まっています。イギリスよりも制限の緩い日本では、まったくの野放し状態なわけです。国レベルの法制化も重要ですし、自治体でもできることから、スピーディーに取り組んでいくべきではないでしょうか。
かと言って、親や教師が頭ごなしに叱責したり禁止処置を押し付けるだけでは、子どもたちの反発や嘲笑を促進するだけで、効果があるとは思えません。そこで、10月2日付の読売新聞に、「ネットいじめ」の特集記事が掲載され、京都府八幡市で5年前から実施されている「情報モラル教育」が取り上げられていましたので、直接連絡を取って、八幡市の中心的な先生にお会いしてきました。
人を傷つけるようなネットの使い方をしないように、小学校低学年から長期的ビジョンでカリキュラムを組んでいるということですし、親と子でルール作りをきっちりとしていくよう、保護者会とかで訴えているらしいです。
皆さんは、この「ネットいじめ」や、さきほどの「CAP」とかについて、どのようにお考えですか? それ以外の課題でも結構ですので、ご意見をお聞かせ下さい。
(ここで、フリーディスカッションが始まりました。「ここまで深刻とは思わなかった!」というご意見が多い中、「実際にうちの子が通う中学の裏サイトを見たことがある」と言う方もいて、議論は一気に白熱。「どれだけの親子がしっかりと対話ができているか」「教師は教壇での授業だけはなく一対一でどれだけ触発を与えられるかが大事」という意見が出されました)
【最後に】
長時間ありがとうございました。僭越ながら、皆さんからいただいたご意見をまとめますと、一般的な抽象論では何も始まらないということ、教室や家庭という現場の最前線で、臨機応変の智恵が生かせることが大事であるということ、だからこそ親も教師も視野を広くして、謙虚に尊重しあっていくべきではないか――ということでしょうか。
これからも、いろんなご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願いします。以上で、コスモス懇談会を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(コスモス懇談会は、その後も定期的に開催し、貴重な生の声を議会で紹介。代表質問等で前向きな答弁を勝ち取っています。2009年11月18日付公明新聞1面に、コスモス懇談会の模様が素晴らしい写真入りで掲載されました)