京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

5月市会集中審議:後半レポート

2014年5月26日〜30日

5月16日からスタートした5月市会は、補正予算案や火災予防条例改正案などの議案を集中審議しましたが、30日の本会議で採決が行われました。今回は後半をレポートします。

今回の補正予算の大きな特長は、京都経済の活性化をより確かなものにするための施策と国の緊急対策を受けた雇用創出事業を拡大したことです。

景気刺激策として、祇園祭で多くの観光客が訪れる時期を逃さない「夏の観光」に焦点を当てた各種キャンペーンを連動させており、大いに期待できると思います。予算委員会でも指摘しましたが、実効力が問われることは論を待ちません。

成長戦略としては、海外販路開拓やICT部門に力を入れるとともに、従業員の処遇改善プロセスへの取り組みが予算化されています。同時に、「バイオマス産業都市構想」策定も本格的にスタートします。

国の交付金を財源とした「消費者行政活性化事業」と「民間保育園整備助成」(2ヶ所110人)の他は、市債を活用する「新工業高校整備」として、洛陽工業と伏見工業を統合して伏見区の立命館中・高の敷地を購入する予算が組まれました。

財政調整基金を取り崩して、上記の夏季販促キャンペーンに加え、救急救命士の救命処置拡充に対応する予算が組まれたほか、商店街アーケード改修等の助成については国が3分の2を負担する等もあり、市が9分の1負担することとなりました。

これらの施策はいずれも重要な内容ですので、公明党議員団は慎重に審議した結果、いずれも賛成しました。自民と民主が工業高校敷地の賃貸に関する懸案について市の努力を求める付帯決議を提出し、文言調整がされましたが、補正予算は賛成多数で可決成立することとなりました。

条例改正案については、経済総務委員会で審議した「付属機関」については、ペット霊園対策検討審議会や円山公園保存管理計画策定委員会など5つの審議会が設置されるに当たり、公明党は予算委員会の場でひおき委員(北区)が費用と効果を厳密に検証する必要性を訴え、私が市民参加を促進するための「市民公募委員」へのサポートを充実することと、女性の声を重視して人選するべきと論じたうえで、議員団会議での協議を経て賛成を表明しました。

交通水道消防委員会で話し合われた「火災予防条例」改正案は、大道委員(南区)が実態に即した効果的な運用を求める付帯決議を提案し、各会派の賛同を得たうえで可決成立。

国へ送る意見書は、断続的な各会派間の調整が順調に推移して7本が採択されました。そのうち4本は公明党が提案したもので、「地域包括ケアシステム構築のため地域の実情に応じた支援を求める意見書」は自民との共同提案・民主と京都が賛成・共産が反対という結果で可決。「中小企業の事業環境の改善を求める意見書」は自民と共同提案・共産と民主、京都が賛成というかたち。「鳥獣の捕獲促進体制強化の速やかな実施を求める意見書」と「若者雇用対策の総合的かつ体系的な推進を求める意見書」は共産以外が共同提案・共産は賛成のみでした。

自民が提案した「手話言語法制定を求める意見書」は全会派共同提案でしたが、「子ども・子育て支援新制度における幼児教育・保育等の質の向上に関する意見書」は共産が反対したものの他会派がそろって共同提案。民主の「中国・韓国で日本企業が安心して活動できるための対処を求める意見書」は特定の国を名指しすることを含め、外交の微妙な関係がテーマなため民主以外の会派は賛成にとどめました。賢明な判断と思います。共産は反対でした。

「特定秘密の保護に関する法律の廃止を求める意見書」と「集団的自衛権行使容認の解釈改憲に反対する意見書」の2つを共産が提案しましたが、あっけなく取り下げました。ポピュリズムに便乗しても賛同は得られませんよね。

議案への付帯決議や意見書は、最終本会議に向けた議員会で話し合われますが、各会派の部屋で喧々諤々の議論が展開されたうえ、断続的に各会派の代表が協議します。主義主張が違うのですから合意に向けた摺合せはカンタンにはいきません。まさに民主主義の縮図ではないでしょうか。

30日の本会議でいったん休会に入りますが、7月に臨時議会が開会されて小栗栖排水騎乗の“人災”によって被害を受けた市民への賠償問題が話し合われる予定です。9月市会では25年度決算案が上程されます。

立法機関であり、かつ行政のチェック機能を果たすために不可欠という世論を受け、議会の権能を強化するために導入した「通年議会」ですので、着実に地道に研鑽を深め、地域の課題を真剣に取材して、勇気ある言論戦を展開していこうと決意しています。頑張ります!


←戻る ▲このページの先頭へ