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動物愛護センターへ緊急提言

2013年9月18日

9月18日お昼休み、超党派の海外行政調査団8名は門川市長を訪れ、「京都動物愛護センター(仮称)整備に係る緊急提言書」を提出しました。

7月28日から8月5日まで、ドイツ・フランス・イギリスの3カ国の動物保護施設等を視察した調査団は、自民党議員団の中村三之助議員(調査団長)、高橋泰一朗議員、中川一雄議員、民主都みらいの安井つとむ議員(副団長)、中野洋一議員、そして公明党議員団の井上教子議員(副団長)、津田早苗議員と私です。

平成26年に南区に開設される京都動物愛護センター(仮称)は、京都府と京都市が二重行政を克服して立ち上げる本格的な動物保護施設。「人と動物が共生できる都市・京都」を推進するための中心施設として、大きな期待が寄せられています。

殺処分ゼロが当たり前のヨーロッパで学んだ知見を生かして、日本一の動物愛護都市として全国を牽引していくべく、ソフト・ハード両面の充実を積み重ねていく第一歩として、ハード整備の具体策をとり急いでまとめ、「緊急提言」というカタチで市長に手渡し次第です。

この模様は、夕方にKBS京都テレビ「フェイス」というニュース番組で放映されました。市民から寄せられる各種ご意見の中でも、動物の問題はトップクラスとのこと。多くの市民の関心が広がる契機になれば良いですね。

下記に、緊急提言を採録します。関心のある方はお読みください。


京都動物愛護センター(仮称)整備に係る緊急提言書

我々京都市会議員8名は、京都市会を代表し、本年7月28日から8月5日にかけて、「人と動物が共生できる都市・京都」の推進強化に向けた「京都動物愛護センター(仮称)」の整備充実と有効活用に向けた調査を行うため、ドイツ、フランス、イギリスの諸都市を訪問し、海外行政調査を行いました。
 人と動物の共生の先進都市といわれる海外諸都市を調査し、「人と動物の共生」を目指す本市の目指すべき具体的な方向性を目の当たりにすることができました。
 特に、ヨーロッパ最大規模の動物保護収容施設「ティアハイム・ベルリン」の調査は、施設の管理方法、設備の仕様、ボランティアとの連携など、今後の本市の動物愛護センターの整備や運営方法に大きな示唆を与えるものでした。
 我々は、そこで得られた経験及び知見を、まずは「京都動物愛護センター(仮称)」の実施設計に反映していただきたく、下記のとおりハード面を中心とした緊急提言を行います。
 この提言を踏まえた施設整備が行われ、「京都動物愛護センター(仮称)」が、「人と動物が共生できる都市・京都」の拠点施設となり、本市が世界の共生先進都市となることを強く期待します。

1.

収容犬・猫への十分な配慮
今回調査したベルリン動物保護収容施設「ティアハイム・ベルリン」をはじめ、ヨーロッパの先進施設では、糞尿対策をはじめとする衛生管理の徹底や、ストレスの軽減策など、収容される犬・猫が快適に過ごすことができるよう、十分な配慮がなされている。
このことを踏まえ、「京都動物愛護センター(仮称)」整備に当たっては、何よりも収容する犬・猫の命を大切にし、適正飼養の範を示す施設となるよう、以下の具体的措置を講じること。

  1. 個体管理を原則とし、水洗清掃や消毒が容易に行うことができる施設構造とする。
  2. 動物収容エリアについては、自然採光、通風を十分確保するとともに、糞尿等、汚物が確実に排出できる構造とする。
  3. 犬舎については、それぞれの犬が建物の外と容易に行き来できるような構造とすること。
2.

人と動物とのふれあいの場の確保
「京都動物愛護センター(仮称)」が、すべての人にとって、命のやさしさ、大切さを感じることができる施設であるためには、人と動物とのふれあいの場が十分に確保されることが必要であり、このことがひいては、ヨーロッパではごく当たり前の風景である、人と動物とが共生する社会の実現につながるものである。
このことを踏まえ、多くの人と動物とが気軽に、かつ安心してふれあえるような施設となるよう、具体的措置を講じること。

  1. 公園利用者が、動物ふれあい広場等において、犬・猫と気軽にふれあえるような構造とすること。
  2. ドッグランについては、人と動物とが安心してふれあえる場として、十分な衛生確保や円滑に利用できる対策を行うこと。
  3. 多くの市民に愛されるよう、ぬくもり・温かみを感じることができる建物とすること。
3.

先進的な環境技術の取り入れ
「京都動物愛護センター(仮称)」が動物に関わらない市民にとっても意義ある施設であるためには、優れた環境対策の実施をはじめ、我が国のモデルとなるような取組が必要である。
このため、センター整備に当たっては、先進的な環境技術を取り入れ、「環境先進都市」としてふさわしい施設づくりを図ること。


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