京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

2月度定例議会が閉会

2012年3月27日

3月27日10時より、2月定例議会を締めくくる本会議がおこなわれました。24年度予算案と、各常任委員会に付託された条例案、国に送る意見書や決議案について、採決が行われました。

写真は、常任委員会の審査の模様を報告している場面。1年間、交通水道消防委員会の委員長として活動させていただいた集大成として、本会議場に立ったものです。(原稿ばかり見てうつむいてしまい、すんません!)

予算案に対する討論では、我々公明党市会議員団は賛成するとの立場で、国本友利議員(左京区)と井上教子議員(下京区)が登壇し、京都市の未来を希望溢れるものとするため予算を執行するよう、理路整然と演説。

門川市政2期目のスタートに当たる24年度の予算は、「はばたけ未来へ! 京(みやこ)プラン」を基礎として、「経済再生と雇用創出」「福祉・医療・教育の充実」「防災対策の徹底」の3点に重点をおきつつ、財政構造改革を一体化して推進するものであり、情報公開に力を入れた「市民と協働」する点を重視しています。

特に、公明党議員団が実現を訴えていた「子ども医療費支給制度拡充」「成人用肺炎球菌ワクチン予防接種」「成年後見支援センター整備」や、「単身高齢世帯の見守りネットワーク」「第二児童福祉センター整備」などなど、福祉・子育て・教育の施策が、数多く盛り込まれています。

それだけでなく、東日本大震災をうけて提唱した防災対策として、「地域防災計画の見直し」「業務継続計画の策定」「原子力災害対策」「災害備蓄物資の充実」なども実現。庶民目線の真摯な主張が実ったのです。

私が力を入れて主張した「地下鉄経営健全化」の諸施策や、安心安全のまちづくりの具体策も実現する中、自転車が安全に走行できる環境の整備として、烏丸通りと御池通りに自転車レーンが設置される計画も決定。市民の皆さんとの約束を果たせて、うれしいです。

また、水垂処分場に大型太陽光パネル(メガソーラー)が設置されることを受け、曽我修議員(伏見区)が代表質問で上下水道局の大型施設にも拡充するよう提案した件も、大きく実現に向かっています。再生可能エネルギーの政策は、口先だけではなく具体的な提言が大事ですよね。

予算案以外にも、暴力団排除条例や、地方分権一括法に基づいて府からの権限委譲に伴う条例が数多く制定されました。地方分権の動きが実感される中で、私が何度も取り上げた条例もついに実現しました。「京都市ひとり親支援センター条例」です。

これは、ひとり親への支援事業が父子家庭にもとっつきやすくなるよう、従来の母子福祉センターの名称を変更するための条例改正です。父子家庭への支援を強化し、ひとり親のご家庭をきめ細かくサポートする事業を推進する予算措置とセットになっており、まさに保健福祉局と粘り強く二人三脚で創りあげた“オリジナル条例”です。

さて、議会としての意思を示す市会決議や、国への意見書も、各会派との調整をへて多くが成立しました。

まず、意見書では、(1) 介護保険におけるショートステイの食費の1食単位での設定義務付けを求める意見書、(2) 父子家庭支援策の拡充を求める意見書、(3) 介護保険制度の安定的な運営のための対応を求める意見書、(4) 若者雇用を巡るミスマッチ解消を求める意見書、(5) 戸別所得補償制度の見直し等、農業政策の立て直しを求める意見書の、計5本が採択をされました。
消費税や原発再稼動を何が何でも許さないという、拙速かつ感情的な意見書は、地方自治体からの意見書にはそぐわないとの冷静な判断で、不採択になりました。

さらに、決議では、(1) 介護保険料軽減に向け、国及び京都府に対し取り組み強化を求める決議、(2) 東日本大震災で発生したがれき受け入れに関する決議、(3) 技能労務職への職員の採用の再開に関する決議、(4) 京都市子ども医療費支給制度に関する決議、(5) 原子力発電に依存しないエネルギー政策への転換と再生可能エネルギーの普及拡大に関する決議、の5本です。

とくに、東日本大震災で発生したがれき受け入れに関する決議と、技能労務職への職員の採用に再開に関する決議は、テレビカメラが何台も設置され、多くの市民の方々が傍聴されるなど、大変な注目を集めました。

残念なことに、被災地の皆さんに寄り添って、復興のために支障となっているがれきのうち、安全基準を満たしたものを受け入れるとの意思を表明する決議に対し、一部の傍聴者の方々が騒ぎ出し始め、議場が騒然となってしまいました。

ほとんどの市民は、国や自治体が誠実に説明責任を果たせば、被災地支援のために賛同していただけると思うのですが、一部の方々の大きな罵声が面白おかしくメディアで報じられて、世間に歪んだイメージを示してしまうことに、私自身は懸念をもっています。

「子どもに放射能を浴びさせてよいのか」という危機感を無視するつもりは全くありません。(3人の小中学生の父親ですから!) そのうえで、原発事故と放射線問題を心配する市民に対して、「放射能汚染」というオドロオドロしいフレーズを連発して不安を煽り立てる勢力に、強い怒りを覚えずにはおられません。

そういう人たちは、東北の地で歯を食いしばって再起の道を歩んでいる被災者の方々を「放射能に汚染されている」とレッテルを貼り、差別していることに気づかないのでしょうか。福島県から他県に避難してきた子どもたちが、いわれなき「無意識の差別感情」に辛い思いをしている事実をどのように見ているのでしょうか。

本日の本会議で登壇した議員の多くが、論理よりも感情に訴える情緒的な主張を繰り返したことに、私は残念でなりません。言論の府として、建設的な政策立案を競い合えるような京都市会であってほしい――そう、痛切に感じた1日でした。


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