京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

1月臨時議会おわる

2011年1月31日

1月24日に開会された臨時議会は、8日間の議論が終わり、早くも最終日を迎えました。

地域政党から「議員定数削減」を求める直接請求が受理されたことに基づき、京都市会議員の定数を現在の69人から9人を削減する条例改正案が上程審議されてきましたが、本会議において全会派の反対により否決されました。

採決に先立って、反対討論が行われました。自民と民主は登壇せず、共産議員は「定数削減は、憲法で定める議会の役割を後退させる。多様な民意を集約するには、一定の議員数は必要。議員の活動が見えないと言って削減したら、もっと見えなくなるではないか」と主張。

わが公明党からは、久保勝信議員(山科区)が「定数削減を求める民意は重いと尊重するが、十分な議論を尽くさないままで、2ヶ月後の選挙から実施するのは性急で拙速にすぎる。9減を求める京都党の議論の根拠は薄い」と、誠実に論じました。

1票の重みを尊重した公平性を論じ、議会改革の必要性を求めるのであれば、削減ありきではなく、各行政区の格差をいかに是正するかが大事であり、国勢調査の結果が出ていない段階で急いで結論を出すべきではありません。

京都党は、「議員定数削減は、(略)近年では多くの自治体で減員条例が可決しており、京都市だけが改革の波から取り残されぬようスピード感を持ったご対応をお願いするものであります」と訴えておられますが、これは戦争中の「バスに乗り遅れるな」と彷彿とさせる理屈です。他の自治体で可決しているからという理由で、議論を省略して良いのでしょうか。

「改革の波」と言うのならば、ネガティブな削減をぶち上げるのではなく、市民から“見える”議会を志向するべきです。英知を結集して、活力ある京都市会を実現するためにも、「議会基本条例」制定こそ急ぐべきではないのかと申し上げたい。

京都党の意見陳述の結論部分に、「私どもは9人減で提出をしておりますが、署名人の多くは、とにかく一人でも減らして欲しいというのが率直な願いであり、我々はその数字に固執するのではなく (略)」とあります。私はこの部分に、この方々の姿勢がハッキリとうかがえると思います。

要するに、それまで縷々(るる)述べてきた理屈を、最後の最後で放擲して、「9人に固執するのではなく、1人でも減らしてほしい」という市民の感情を根拠にしているのです。まさに、責任転嫁以外の何物でもありません。これこそ大衆迎合のポピュリズムそのものであると申し上げるものです。

もう1つ、指摘させていただきたい点は、9減を主張する根拠として、請求代表人が議員辞職したあとも、選挙区である左京区は何の問題もないとの趣旨の発言をされていることです。

これには驚きました。自らの事例をとおして「議員が減っても大したことはない」と強弁しておられるのですから。自分がいなくなっても左京区民が困っておられないのは、自ら「大して働いていなかった」と認めている証拠ではないでしょうか。

今、私は青年世代の方々との「フレッシュ懇談会」に連続して出席し、ひざ詰めの対話を重ねています。誠実で真摯な青年たちと触れ合い、まさに勇気百倍。パワー全開です。

青年たちを使い捨てにするような社会を変革するには、地方議会が党利党略のパフォーマンスに左右されず、生活に身近な政策を真剣に議論する「言論の府」に自己改革するべきであると、声を大に訴えるものです。

2月議会は、市民の皆さんからお預かりした大切な税金を、どのような政策に使うのかを審議する予算議会です。選挙間近の多忙な時期ではありますが、研鑽を重ねて頑張ってまいります。


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