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5月議会の論戦(後半戦)

2010年5月31日

5月27日は、普通予算特別委員会と私が所属する教育福祉委員会が開催され、議会に付託された予算案と条例案に対する各会派の態度が表明されました。これを「討論結了」といいます。

20日に開かれた予算委員会分科会と、21日と24日の両日に開かれた常任委員会で交わされた議論の模様を、25日からの議員団会で所属委員が詳しく報告し、会派の賛否を決まるために、活発に意見を交換したのです。

また、国に送る様々な意見書が各会派から提案されてくるのですが、議員団会で綿密に協議し、各会派の代表が離合集散を重ねて調整を繰り返しました。

それらの綿密かつ濃厚な論戦のすえ、ようやく27日夕方に、委員会討論結了にこぎつけたという次第です。

2月議会で否決された「市立看護短大廃止条例」が、再度提出されたことに対して、自民党議員の一部から「議会軽視ではないか」と、強い異議申し立てがありました。

前回の討論結了は深夜にずれ込みましたので、5月も同じ繰り返しかと大変に心配したのですが、今回は夕方に開催されましたので、ほっとひと安心です。

自民党議員団は、意見が真っ二つに別れて収拾がつかなかったとのこと。一部議員が離脱をほのめかせているとのウワサも流れ、えらいキナ臭い話になりました。

私が所属する教育福祉委員会では、マスコミ各紙が記者席から溢れてつめかけていましたが、自民の態度表明は「保留」と宣言し、採決時には3人の委員が退場。苦肉の策と思いますが、異例の事態です。

そして、28日の最終本会議の日。前回2月議会の最終会議は、討論決了が深夜に及んだため、午後からの開会という異様な事態になりましたが、今回は10時から開始されました。

結局、自民党議員団は市立看護短大廃止条例についての態度を会派でまとまることができず、党議拘束を外して「自主投票」で決着したとのこと。

採決では、自民党22名のうち、半数が賛成したので、条例案は可決し、混乱はひとまず終結しました。

国への意見書は、公明党が提案した「小規模グループホームの防火体制強化を求める意見書」と「マルチメディアデイジー版教科書の普及促進を求める意見書」が全会一致で可決。

また他党とともに共同提案した「子どもの医療費の無料化を国の制度として実施することを求める意見書」、「口蹄疫の感染防止に向けた対策の充実強化を求める意見書」、「B型・C型肝炎ウイルス患者の救済に関する意見書」が可決しました。

注目された「小沢一郎民主党幹事長の国会証人喚問を求める意見書」は、民主が反対しましたが、賛成多数で可決成立。議場がざわつきました。

このほか、自民と共産が賛成する意見書に公明が反対を表明したものもあり、各会派が固定観念から脱却して「是々非々」を志向している印象が深まりつつあり印象です。

自民が提出した「ばらまき政策を排し,財政の健全化を求める意見書」は、経済危機への問題意識を表明しながらも、自公政権時代からの「緊急経済対策」に盛り込まれた景気刺激策や子育て支援策をも、「ばらまき」と断ずる乱暴なもの。到底賛同が得られず、廃案になりました。

否決されるとわかっているのに、自民のベテラン議員が30分以上も賛成討論したので、議場内がざわつき始め、「引用ばかりせんと自分の意見を言わんか」「目立とうとしてるだけか!」等と飛び交うヤジで騒然。

民主や共産席から「自公政権に言われたくない」「あんたらに言う資格はない」という、相も変わらない下品な野次が飛ぶので、温厚な私もたまらず声をあげ、「そんな責任のなすりつけ合いで何が生まれる? 建設的意見を戦わさなアカンやろ!」と訴えました。

立場や主義の違いを尊重しつつ、英知をあつめ、議論を積み重ねて、市民生活にとって大事な政策を作り上げることこそ、議会の真の役割ではないか。私は心からそう思います。

「議会軽視だ!」といきりたつだけでなく、「軽視されない議会」になっていかなければなりません。これからの時代は、今まで主流であった「監視機能強化」だけでは不十分と思います。やはり、市民意識を反映した「政策立案」を積み重ね、より充実していかなければ!

私の切実な意見です。読者の皆さんはどのように思われますか?


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