京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

2月度定例議会が閉会

2010年3月19日

3月19日10時より、定例議会を締めくくる本会議がおこなわれました。22年度一般会計予算など普通予算特別委員会で審議された予算案と、22年度地域水道特別会計予算ほか公営企業予算特別委員会で審議された案件や、経済総務委員会等で審議された条例案、国に送る意見書や決議案について、採決が行われました。

公明党市会議員団から、普通予算に対する賛成討論で湯浅光彦議員(右京区)が、公営企業予算についての賛成討論で平山賀一議員(西京区)が登壇して、凛々しい表情で颯爽と演説。

門川市政折り返し点の22年度予算は、「生活安心・未来へのトライ」と名づけられ、市民のいのちとくらし、中小企業・地場産業支援、雇用創出に力を入れると同時に、環境問題や公共交通など、未来の京都を志向したもの。

特に、公明党議員団が長年にわたって実現を訴えていた「保育サービス充実」「放課後の子どもの居場所作り」「幼児2人同乗用自転車のレンタル」など、子育て支援に重要な施策が実現。

それだけでなく、「障がい者福祉充実」「介護保険基盤整備」「学校耐震化」「DV支援センター」「女性特有のがん検診無料クーポン券」も組み込まれました。庶民目線の地道な主張が実ったのです。

また、「太陽光発電普及促進」「次世代自動車支援」だけでなく、「ごみ減量」を促進する事業系ごみ収集の新事業もスタート。20年度くらし環境委員会副委員長時代に私が言い続けていた施策ですので、喜びもひとしおです。

ほかに、「観光案内標識充実」「京都駅南口の整備」「上七軒通り無電柱化事業」「京都市動物園リニューアル」なども、本格的にスタート。希望をもって進んでいきたいですよね。

国に送る意見書は13本提出され、公明党が提案した「若者の雇用創出と新卒者支援の充実を求める意見書」「介護保険制度の改善を求める意見書」「児童虐待を防止するための親権制限を求める意見書」の3本は、全会派の賛成で可決。

自民の出した「国民の政治への信頼回復のため、国会の自浄能力発揮と政治的・道義的責任の追及を求める意見書」に公明・共産が賛成したのに対し、民主は対案として「政治への信頼回復にむけた政治資金規正法の改正等を求める意見書」を提出しましたが、鳩山首相・小沢幹事長の責任には触れていない中途半端なものでしたので、民主以外の3会派は粛々と否決。

自民は「選択的夫婦別姓法案提出について慎重な対応を求める意見書」「永住外国人に対する地方参政権付与に反対する意見書」を提出しましたが、偏狭な主張がちりばめられていたので、自民以外の会派の賛同はありませんでした。

特に、「夫婦別姓問題」については、自民の主張には違和感が大きいのです。例えば「日本国では古来より祖先と子孫は一つの血と命でつながり、(略)日本の歴史と伝統文化を貫く根幹であり、生活すべての基準である」という、少し大時代的な仰々しい表現が書かれており、結論部には「日本の伝統文化を守り、国の繁栄と平和な生活と共栄を願う立場から、夫婦・親子同姓制を堅持し(略)」となっています。

つまり、「夫婦別姓」を願う考えに対して、日本古来の伝統文化を否定し国の繁栄を揺るがす決め付け、同姓を堅持せよと主張している訳です。私は、この考えは歴史認識に誤解と思い込みがあると考えます。

なぜなら、わが国は古来、実は夫婦別姓だったからなのです。藤原道長の妻は源倫子、源頼朝の妻は北条政子、足利義政の妻は日野富子・・・・・。ねっ、別姓でしょ? 苗字のある武家では江戸時代に寺請け制度が確立してから同姓になり、苗字の無かった職人や農民は明治になってから、今の制度になったのです。

何よりも、自民案の文章に「家庭崩壊の危機が叫ばれる中、選択式夫婦別姓制の導入は、家族の一体感を損ね、その崩壊を加速させる」とありますが、根拠に乏しいと言わざるを得ません。現制度を堅持したら家庭崩壊が止まるのでしょうか? 家庭崩壊問題と別姓論議との関係性は大きいとは言えないのではないでしょうか。

いずれにしても、意見を交し合っていくことは大事です。なぁなぁよりも、はるかにマシですので、これからも、活発に議論をし合いたいものだと、純粋に感じました。

さて、今議会の大きなトピックは、自民と共産が、「看護短大を廃止する」という市の方針に対して、共闘して反旗を翻し、予算案を否決したことです。

この問題を含め、自民は例年と比べて異例とも言えるくらい、今回の予算案に対してシビアに見ていました。今までは反対意見を述べる共産に対し「たいしたこと無いやろ」「粗探しをして噛み付くな」と揶揄していたのと比べると驚くほどです。

とにかく、若手議員中心に、予算案の内容1つ1つを、まるで事業仕分けのように、細かい点を指摘していました。「防火バケツに貼るステッカーは要らない」「交通局のマスコット製作費は高すぎる」「予算成立前に事前に執行するのはけしからん」などなど。うなずける部分もありますが、細かいと言えば細かいですわね。

おかげで、予算委員会の市長総括質疑が終わってから、急に議会があわただしくなり、終盤の数日間は連日遅くまで会議が続き、最終日はほとんど徹夜状態。今までに無い緊張感や疲労との戦いでした。

私個人の考えは、「市民の皆さんの大切な大切な税金を、無駄なく公平に、そして効果的に」というものです。ただ、木を見て林が見えないことがないようにと心がけているつもりです。

その意味では、このレポートの冒頭部で具体的に紹介したとおり、今予算議会で成立した諸施策は、まさに公明党議員団の勝ち取った赫々たる庶民の勲章とも言える「実績」であると、声を大にして申し上げたいと思います。

皆さんは、いかがお考えですか?


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