京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

公営企業予算特別委員会局別質疑

2010年3月5日

22年度公営企業の予算を審議する特別委員会が、2月25日の提案説明と資料請求から始まり、26日から局別質疑が断続的に開催され、5日の市立病院事業審査でいち段落しました。

昨年の決算委員会は台風の影響で日程が変則になりましたが、今回の予算委員会も波乱が起こりました。今回は天災ではなく、自民が“議会軽視だ”と市側にクレームをつけ審議が始まらず、紛糾したすえに午後からの審議が別の日(3月5日)に延期になったのです。

26日付ブログで詳しく述べているので、そちらを参照していただきたいのですが、自民の言い分にも一理あるとはいえ、大事な予算審議に影響を与える審議拒否はいただけません。論戦をとおして市の見解をただし、見直すべきを見直すよう指摘していけば良いのではないかと考えています。(だって、政局より政策を優先すべきが私の持論なんですもん!)

8日に市長への総括質疑があり、今は夜を徹して準備を続けているところです。総括質疑は20分という限られた時間ですので、このページにて3月2日から5日までの予算委員会で、各局と議論した内容を紹介いたします。

3月2日は、上下水道局に対して質問に立ちました。

(1)

山ノ内浄水場廃止にかかわる業務が市財政の危機を救うものになるよう、万全を期してもらいたい。新山科浄水場から給水する際の安全確保など、綿密に設計するべきである。

(2)

無形固定資産のうち、ソフトウエアについても、高度情報化推進計画を踏まえ、効率的かつ効果的な予算執行を求めたい。

(3)

脱臭処理作業を効果的に推進するべき。

(4)

CO2削減等の環境施策に力を入れるべき。昨年夏に実験されたミスト(霧装置)を拡充するべきではないか。

(5)

耐震化計画は、災害時の避難所周辺を優先して工事に着手するなど、被災者の側に立って推進するべき。

3日は交通局に対して、注目の市バス・地下鉄経営健全化計画について、下記の点を論じました。

(1)

地下鉄事業は、平成30年までに1日5万乗客を達成するとのことだが、集客施設や公共施設誘致だけでは不足する。審議会の分科会を設置して幅広い市民の声を求めてはどうか。利用客のニーズを積極的に求め、具体的施策を迅速に進めるべきである。

(2)

駅ナカビジネスも、平成25年までに5億円収入を目指しているが、まず22年度を倍増させなければ画餅になる。市民ニーズを取り入れ、柔軟な発想で進めるとともに、長期的ビジョンで拡大戦略を組んでいくべきである。

(3)

市バスのダイヤ編成は、高齢者や障がい者にも十分な配慮が必要。ノンステップバスの編成において、通勤通学時間と病院への通院時間に若干のズレがあるので、定時化や予約を推進してもらいたい。

じっくりと質疑を展開したので、たっぷり頂戴した持ち時間が足りなくなってしまいました。新規導入のドライブレコーダーや駅前駐輪場整備、地下鉄バリアフリー等についても、入念に準備していたのですが、残念ながら時間切れ。次回の常任委員会に回すことにしました。

さて、4日は交通局の2日目でしたが、公共交通全体の質疑が必要とのことで、都市計画局理事者の出席を求めての異例の集中審議となり、テレビ局も取材に来ました。私の出番はありませんでしたが、日置委員(北区)が「地下鉄経営健全化計画」と「歩くまち総合戦略」の整合性について、鋭く的確な提言をしていました。さすがです。

局別質疑最終日の5日は市立病院の延期分。私は公明党のラストバッターとして、論陣を張りました。

(1)

市立病院の独立行政法人化計画は、経営が効率化することで、黒字体質に転換して意思決定が迅速化し、責任の所在が明確になるなら賛成すべきである。独法化が看護の質の向上に資するよう、積極的に取り組んでもらいたい。

(2)

府立医大病院で電子カルテがダウンしたが、市立病院のサーバは大丈夫か。空調設備更新を含め、予算を効果的に執行するべきである。

(3)

市の業務委託で規律違反があり問題になったが、個人情報の漏洩が無いよう、セキュリティを強化していただきたい。

共産は、医療の後退を招くとの疑念を表明し、独法化に反対していますが、私はこれに対して、「経営の効率化」と「医療の効率化」を混在していると指摘した病院長の意見に賛意を表明し、医療の向上のための経営体質改善を多角的に論じました。

また、独法化によって人事の硬直問題が解消して看護師不足解決の足がかりが出来るにもかかわらず、共産は「財政危機」を理由に反対をしていましたが、これもおかしな理屈です。その前の議論で「院内保育所委託見直し」に対して「看護師不足のための待遇改善」を理由に反対しているのですから。反対のための反対は、矛盾するものですよね。

野党は反対ありき、与党は賛成ありき――のような型にはまった議会では、発展はありません。その思いで予算委員会に臨み、重要議案について突っ込んで論じたつもりです。

いよいよ週明けの8日は、市長へ直接質問する「市長総括質疑」。私も14番手(公明党の3番手)で登壇します。局別質疑の内容を精査して再度勉強を重ね、京都市発展に貢献できる議論を展開する決意です。インターネットで生中継がありますので、ご関心のある方はぜひご覧ください。


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