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2007年7月度文教委員会 視察(教育委員会)

2007年7月24日

 7月24日、市内の教育施設への視察があり、日置副委員長(北区選出)と一緒に参加いたしました。マイクロバス内は文字通り“呉越同舟”状態。各党のベテラン委員たちの丁々発止のやり取りで、和やかな笑いが起こり興味深かったです。委員が質問して理事者(役人)が答弁する現行の質疑形式から、委員同士が議論を戦わせる「論戦」形式にレベルアップしていく可能性を垣間見た思いでした。

 視察では、不登校の子どもたちや保護者を多角的に支援する「こども相談センターパトナ」(中京区)と、京都市総合教育センターに平成15年に開設された「カリキュラム開発支援センター」(下京区)を訪れました。

 「パトナ」は、不登校等の課題の解決や子どもたちの自立への総合的支援を目的とした全国初の専門機関として、平成15年4月に開所。翌年には敷地内に洛風中学も開校し、多くの方々が利用され、尊い実績を出してきました。実際に、工夫を凝らしたカウンセリングルームや、教室で子どもたちの学んでいる姿を見学したのですが、切実な苦悩に傷つき疲弊した心を癒して、希望の光を照らしゆく“教育”の厳粛さ崇高さに心から感動しました。

 「90%が進学している」「伏見にも分室を設けている」「保護者会を月1回開催している」――担当者から説明を受けながら、現状の課題や今後の計画等について大いに関心が湧いてきました。「質問は視察のあと」ということだったのですが、残念ながら時間が足りないとのこと。不完全燃焼は体によくないので、私は歩きながら理事者に「卒業後のケアについてどうか」「通っている子ども同士での“いじめ”はあるのか」「障害児受け入れの実態と今後の可能性はどうか」等々と質問を投げかけました。私のためにバス移動の時間が食い込み、他の委員に迷惑をかけてしまいましたが、現場に足を運んだことを第一歩として、今後も教育委員会だけでなく教師や保護者はじめいろいろな方々に取材していこうと思っています。

 「カリキュラム開発支援センター」では、様々な教育現場での成果を集めて公開し、現場の教員の質向上を目指す取り組みを視察。学生や留学生たちと遭遇したり新人教員の研修会場にお邪魔して、フレッシュな息吹に触れました。ここでも身上の“粘り”を発揮して、「指導力不足教員の再チャレンジ」の支援体制について質問したのですが、これから飛び込む新人や、意欲みなぎる熱血教師にとっては有効ではあるが、様々な要因でその情熱がいったん折れてしまったようなケースに対しては、これからの課題であるとのことでした。私自身、教育現場で山積する多種多様な課題のひとつひとつをじっくりと掘り下げていきたいと念願していますが、その中で“ダメ教師”と烙印を押されてしまった有為な若い人材を復活させる可能性を探ることも重要ではないかと考えています。今回の視察を契機に、複眼的に学んでいこうと改めて決意しました。


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