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2007年6月度文教委員会 質疑(教育委員会)

2007年6月19日

 6月19日10時より、市役所の市会第2会議室で文教委員会が開会され、教育委員会への質疑が行われました。私は党を代表して、教育再生会議でも審議されて注目を集めている「教員の質向上」について、門川教育長はじめ理事者に詳しく質問しました。また、不登校対策や子育て支援のための施設を充実させるべきであると訴えました。

 まず、指導力不足と言われている教師について、いたずらに非難を浴びせたり、一方的にレッテルを貼り付けるのでは何も始まらないとの観点を重視すべきであると論じました。教壇に立つ教師は、単なる授業を受け持つ公務員ではなく、児童・生徒に取って最高の教育環境でなければなりません。「教育者」とは誰よりも日々成長していく存在であるべきです。そうであってこそ、児童・生徒たちだけでなく保護者からも「仰がれる尊き我が師」になっていくのではないでしょうか。この1点を外せば、様々な施策を打ち出しても小手先に陥ってしまう。――私は、この問題意識を根底において、何点かの具体的な提案をしました。

 教員指導カリキュラムの充実強化においては、専用施設での研修を受けさせるだけではJRの日勤教育のような弊害もありえるので、普段から接している先輩教師たちからの校内サポートをより暖かくきめ細かく推進する方向にも力を入れるべきであると論じました。つまり、教師たち自らが「自分のことで精一杯」という偏狭な自己を克服することから始めなければならないということです。また、学生からストレートで教員試験に合格した優秀な教師が“社会経験の不足”から実力を発揮できない実態が指摘されています。この対策として、「土曜授業に各界から一流の人材を招聘する」「教員採用の社会人枠を拡充する」という2点を提案しました。

 現在、市教委では各県に先駆けた試みとして、理不尽な保護者からの苦情の対応にくたくたになっている教師の救済のために「学校問題解決支援チーム」を設置するという方針を打ち出しています。その果敢な取り組みに対しては積極的に評価します。私はそれと平行して、教師の「人間力」向上を進めていかないと、警察OBや弁護士が教員を単に“保護”するだけで終わってしまうのではないかとの危惧を表明しました。全国に勇名を轟かせる市教委の取り組みを見守っていきたいと思っています。

 次に、5月度議会の代表質問で平山議員が取り上げた問題について、市教委の見解を求めました。不登校の児童・生徒と家族をケアする「ふれあいの杜」の充実と施設拡充については、市北部に分館を建設する計画であるとの明快な答弁がありました。

 もうひとつの施設拡充の要望として、子育てに惑う若いお母さんをサポートする事業である「こども未来館」も取り上げました。「非常識で理不尽な保護者」にさせないための取り組みの重要性を強調したのです。残念ながら時間がなくなり、最後の2点(携帯裏サイトでの深刻ないじめへの対策と中学校給食の不人気問題の是正)については、詳しく議論ができませんでした。自身の未熟さを痛感し、真摯に反省するとともに、次回までに入念にフィールドワークを積んで再挑戦したいと思っています。


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