吉田たかお演説集

2020年5月議会 補正予算賛成討論

令和2年(2020年)6月2日 京都市会本会議場

 ※国難ともいうべき新型コロナウィルスの猛威により、市民生活や経済状況が極めて厳しい局面で推移しています。京都市として矢継ぎ早に対策を打ち、2月から10月までに5次にわたる補正予算案を提出。5月市会本会議の最終日に、会派を代表して賛成討論に立ち、市民目線の施策推進を求めました。

【はじめに】

 公明党京都市会議員団は、議第60号および議第67号「京都市一般会計補正予算案」に賛成いたしますので、その理由を述べ討論を行ないます。

 まず冒頭に、新型コロナウイルスに感染され、お亡くなりになった方々とご遺族に、謹んでお悔やみ申し上げますと共に、今なお治療中の方々にお見舞い申し上げます。また、医療や介護の最前線で奮闘される方々に感謝申し上げます。

 世界的なパンデミックとなった新型コロナウイルスの脅威によって、市民の暮らしや事業者の経営が深刻な苦境に陥り、まちの活力が失われる危機に直面している中、市長が2度の補正予算を矢継ぎ早に提案されたことは大いに評価できると考えます。

【経済対策について】

 特に、中小企業支援については、4月市会で成立した「緊急支援補助金」への申請が想定の倍を超えたことに迅速に対応し満額支給を実現されました。今回の補正予算は、観光・宿泊・飲食・伝統産業が壊滅的な打撃を受ける中で、未だ府県を越える移動が制限されている実情を直視して、ピンポイントで焦点を当てるものであり、経済再起動への第一歩として賛同いたします。

 「飲食店デリバリーサービス」の利用促進については、これからの「新しい生活様式」に適応する飲食店の売り上げ拡大に資すると期待されます。だからこそ、地域に根付いた小規模飲食店が取り残されることが無いよう、意欲を喚起できるような丁寧な広報・周知をお願いいたします。

 「市民による京都の魅力再発見事業」は、飲食店や宿泊施設の需要を喚起するプランですが、市民が市内に宿泊するという企画に意味があるのかという批判があります。しかし、幕末明治の激動期に京都の危機を自分たちの知恵と勇気で乗り越えた町衆の心意気を発揮するときが今であると思います。市民ぐるみの団結を結集する事業となるよう、市長が先頭に立って1人1人の琴線に触れる力強い呼びかけをお願いします。

【福祉・教育・文化芸術について】

 さて、新型コロナウイルスは治療法が確立せず、第2波への懸念が払しょくされない現実から目を背けることはできません。感染拡大への不安が渦巻く中、市民の安心安全は喫緊の課題です。

 その意味で、補正予算に医療機関の支援や妊婦を含めた「PCR検査の充実」「障がい者への支援」などを盛り込んだことは評価できます。一方で、介護施設や介護サービス事業所も疲弊しています。今後のさらなる充実を求めます。

 また、長期にわたり休業していた「学校の再開」に向けた取組に関しては、今後のICTの活用や学校現場における感染症予防対策などの課題が残っています。経験したことのない生活を強いられた児童・生徒へのキメ細やかなケアをお願いします。

 文化芸術活動の「緊急奨励金」が拡充されました。京都らしい継続的な支援となるよう、国や府と連携して頂くことを求めます。

【緊急要望・代表質問について】

 学生の「学び環境創出事業」は、我が会派が5月19日に提出した第2次緊急要望で求めた大学や学生への支援の一環であり評価します。オンライン授業など各大学の環境整備では、時代の激変に対応できるよう本市のリーダーシップが必要と指摘いたします。

 緊急要望で求めた「商店街支援」も、補正予算に追加されました。地域特性を尊重し、消費者のニーズに合う振興策につながるようなバックアップを求めます。

 「避難所の感染拡大対策」は、22日の本会議代表質問で我が会派の松田議員が求めたものであり、スピード感を持って予算化されたことを評価します。ここ数週間、地震が頻発しています。梅雨や台風の季節を控える今の段階で、強い問題意識に立ってキメ細かく執行して頂くようお願いします。

 同じく代表質問で、大道議員が妊産婦支援として「仮称・みらい応援給付金」を提案しました。特別定額給付金の対象外である4月28日以降に生まれた赤ちゃんにも一定額を支給する独自制度です。ぜひ、前向きに検討して頂きたい。

 以上、補正予算に賛成する理由を論ずるとともに、今後への指摘を申し述べました。私ども公明党議員団は、誰1人取り残さないというSDGsの理念のもと、市長とスクラムを組んで「ワンチーム」で、コロナとの戦いに勝利することをお誓いし討論とさせて頂きます。ご清聴ありがとうございました。

(4月と5月の2次にわたって提出した「議員団緊急要望」の内容が大きく反映した補正予算であることを評価すると共に、今後へのシビアな課題への意見も申し添えました。これからも、建設的な提言を積み重ねる決意です)