吉田たかお演説集

第23回五大政令市政策研究会

平成27年(2015年)8月5日 ナビオス横浜

※公明党の政令市議員団5都市(京都・大阪・神戸・横浜・名古屋)が切磋琢磨して政策を研さんする研究会。横浜市で開催された第23回目は、昨年に引き続き私が京都市会議員団を代表し研究発表しました。今回は「京都市における大都市制度の取り組み」についてです。神奈川県選挙区の佐々木さやか参院議員との記念撮影では緊張して映っています。

【はじめに】

 こんにちは。気温38度の京都からやって参りました。暑苦しくて恐縮ですが、爽やかに発表します。よろしくお願いします。

 京都市は行政区のあり方をどう考えているのか、現在の具体的な取り組みや将来のビジョンをどう志向しているのか等について紹介させて頂きます。お手元に準備した資料は華やかな京都に似合わない質素ものですが、ご参考にしてくだされば幸いです。

【二重行政解消に向けた取組み】

 まず、「二重行政」解消というポピュラーな問題についてですが、幸いにも京都は府知事と市長のどちらも、行政マンとして極めて豊富な実績を持った方であり、両者のトップ会談を公開するのみならず、前後の実務者レベルでも徹底した調整を積み重ねておりまして、「施設の一体化」「事業の共同化」「施設間の更なる連携強化」など総点検する「府市行政協働パネル」という協議体制を継続しています。

 具体的な実績としては、箱モノでは「京都総合観光案内所」が、京都駅の同じエリアの別々のフロアに府と市の案内所があったのを平成22年に一本化しました。また本年4月にオープンした「京都動物愛護センター」では、京都府と京都市の職員が同じ事務所で役割分担しながら運営しています。ちなみに動物愛護活動で有名な女優の杉本彩さんが名誉館長を務めて頂いていますが、写真はNGとのことで、パワーポイントには上映できません。(笑)

 次に政策を一本化して共同実施している実績ですが、中小企業への融資制度や経営支援事業、地球温暖化対策、エネルギー政策、就職支援などのほか、市民からの声が多い「放置自転車対策」では特に河川敷の対策を京都府と共同で実施して、着実に効果を挙げています。

 現在推進中の取組事例は、衛生研究所や計量検査所、消防学校の共同化に向けて具体的な協議を進めていますが、公営住宅についても市営住宅と府営住宅の連携事業を本格化する第一段階として入居相談や公募申込みの相互受付の実施が始まるところです。

【行政区のあり方について】

 京都市は、行政区の役割については、地域に最も身近で,市民の声をしっかりお聞きする存在と位置づけ、区長の権限と区役所機能の強化を進めています。地域づくりの拠点としての自治体内部での分権を目指して、2001年から取り組んでいるもので、区民提案のまちづくりや活性化の事業を支援する予算の権限が区長に与えられています。この3年間で総額7億円が予算化され、きめ細かな市民主役の事業が活発に行われています。町衆の伝統が根付いているため、市民の方々の協力が大きな特徴であると存じます

 また、話題になっている「総合区」については、京都市は予算権限を一定区長に付与している点、学区等を中心とした地域コミュニティが全市に定着している点、加えて保守的な地域性もあり、導入するメリットはないと考えているということです。

 今のビジョンとしては、「特別自治市」を志向しており、迅速かつ総合的な行政運営を進め、非効率な二重行政やねじれを解消する取り組みを進め、行政コスト削減と市民サービス向上を図っているところです。

【双京構想】

 最後に、東京一極集中を打破し、首都機能を分散するための一環として、「双京構想」を提唱しています。政治経済の中心である「東京」と対峙して、歴史と文化の中心である「京都」が首都の機能を双方で果たしていこうとするものです。

 また、京都市は地政学的に大災害の際にも「津波」で壊滅的被害を受けないという強みがありますので、その責務を自覚していざという重大事に備えての構想実現を国に強く要望しているところです。時間が無いので尻切れトンボになってしまい恐縮ですが、今後とも切磋琢磨して研鑽に励んでまいりますので、よろしくお願いします。以上です。

(最後の場面で、東南海地震等の防災対策を真剣に進めている五大政令市議員からどよめきが起こりました。TPOを考えて発言しなければアカンと反省しました)