9月特別市会&ケアラー条例
8月末から9月にかけての台風10号で、京都市でも多くのイベントや行事が中止となりましたが、京都市会にも文字通り“嵐”が吹き荒れました。
8月29日付京都新聞朝刊に、維新京都国民市会議員団(以下、維新会派)に所属する小島信太郎議員(山科区選出=国民民主党京都府連幹事長)が、区内在住者に「初盆のお参り」として菓子を提供していたことが報道されたのです。記事によると、小島氏は取材に対して「手ぶらでうかがうのは無礼だと思い、一般儀礼だった。高価なものではない」と、事実関係を認めています。
言うまでも無く、選挙区内の有権者への寄付行為は公職選挙法で禁じられており、言語道断で、あってはならない不祥事です。小島議員は報道を受けて離党すると共に、維新会派を離脱。これらの動向を受けて、市会事務局と各会派で週明けにかけて慌ただしいやり取りがあり、9月4日に理事会が緊急で開催され、私が公明党を代表して参加しました。
そこで維新会派から「問責決議案」が提出されましたが、自民・公明・共産会派らからは「辞職勧告決議案」が出され、その日の議運で各会派の態度が明らかとなりました。極めて複雑な状況ですが、分かりやすくご説明します。
まず、自民・公明・共産の3会派は当然「辞職勧告決議案」に賛成し「問責決議案」には反対ですが、維新会派は「問責決議案」に賛成し「辞職勧告決議案」には賛否を明らかにせずに本会議の採決を退席するのです。また、2人会派の民主市民フォーラムの意見が分かれ、1名は自公共と同じ態度であり、もう1名は維新と同じ判断となりました。
無所属4名のうち、元自民のベテラン議員は自公共と同じ態度ですが、市民派の女性議員は維新会派と同じ判断。2月まで2人会派(元・立憲民主党市会議員団)であった議員も意見が分かれ、1名が維新と同じく「辞職勧告決議案」で退席する判断ですが、立憲を離党した1名は「問責決議案」に賛成し「辞職勧告決議案」には反対しました。(唯一の「反対」です)
週明けの9日、総務消防委員会開会前の9時30分に、これら決議案のみを議題とする1日限りの「9月特別市会」が開かれ、「辞職勧告決議案」は賛成多数で可決されました。(写真左) しかしながら、法的拘束力は無いため、小島氏は議員辞職しないまま活動を続ける見込みです。「辞職勧告決議」は、コチラをクリックしてご覧ください。
裏金問題やパワハラ問題など、国会や地方議会で「政治不信」を招く不祥事が相次いでいる中、うやむやにせずに、迅速に結論を出した京都市会の対応は極めて妥当であったと確信しています。私たち公明党も、襟を正して気を引き締めていこうと決意しています。
さて、次には打って変わって、建設的な「政策立案」の報告をさせて頂きます。(写真右)
京都市会では、議員提案による京都市ケアラー支援条例(仮称)の制定に向け、各会派の代表者で構成するプロジェクトチーム(PT)を設置し、世代を超えた介護従事者(ケアラー)の方やケアラー支援に関わっておられる団体など、様々な関係者の方のお話をお聞かせいただくとともに、市の関係部局からケアラー支援に係る行政の取組についてヒアリングを行うなど、丁寧に検討を進めてきました。
9月4日には第4回PT会議が開かれ、「京都市ケアラー支援条例(仮称)の条例」の素案が取りまとめられ、幅広く公開するとともに市民意見を募集(パブリックコメント)することとなりました。
パブリックコメントについての詳細は、コチラをご覧ください。
京都市ケアラー支援条例(仮称)の制定に向けた取組については、コチラをご覧ください。
私自身、高校生時代に「ヤングケアラー」であった経験もあり、大きな問題意識を持っています。公明党会派を代表してPTに送り込んだ「エース」の西山信昌議員(下京区)を中心に、何度も議員団会議を重ねるなど、重層的かつ多角的に真摯な議論を展開しています。
議員提案政策条例は、地方議会における「議員立法」であり、議会改革においても重要な位置を占めるものと思います。2010年に制定された「京都市自転車安心安全条例」は市会110年の歴史を画する意義があったこともあって大きな注目を集め、数多くの自治体関係者が視察に来られました。これからも、クリエイティブな政策提言にチャレンジしていきたいです。
【追記】
9月7日(土)午後2時過ぎ、実母が92歳の天寿を全うし、老衰で亡くなりました。心肺停止で救急搬送された後に奇跡的に蘇生し、家族が駆けつけるのを待って、眠るように息を引き取りました。故人の遺志を受け継ぎ、精進を重ねることを誓います。
9日の特別本会議は欠席させて頂きました。議長はじめ議会関係者の皆様のご理解に感謝申し上げます。また、党務や地域行事も出席できず、ご心配をおかけしたことをお詫びすると共に、弔電や供花を届けて下さった方々に御礼申し上げます。なお、葬儀は近親者のみで済ませたことをお許しください。