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2024年3月市会レポート

2024年3月27日

3月1日に京都市会本会議が開かれ、令和6年度予算案や補正予算案などの重要な議案の提案説明があり、約1ヶ月の集中審議期間がスタートしました。

補正予算は、国のデフレ完全脱却のための総合経済対策の財源を活用した「くらし応援給付金」(1世帯7万円)や市立高校デジタル加速事業(4千万円)、こども誰でも通園制度(仮称)への試行実施事業(6,300万円)などに加え、今後の事業推進のために基金に積み立てる措置などが提案されました。

4日に行われた予算委員会で、私は保健福祉局に次の3点を質疑しました。

今回の補正予算で、定額減税の恩恵を十分に受けられない方や新たに非課税世帯になる世帯へ8億8千万円を給付するが、自身が対象かどうか分からない方が多い可能性があるので、迅速かつ的確な周知が必要ではないか。
対象者が確定する時期と給付開始の時期が混同されてしまう懸念がある。適切な事前の対策が急務。電子申請で負担軽減と処理の迅速化が進捗するので、これらの支援を機にマイナンバーの促進を図るべきである。
過去の給付手続きの経験を検証し、ノウハウを今後の教訓として生かしていただきたい。コールセンターも有意義に活用することが大事ではないか。

補正予算は討論結了の後に、8日の本会議で可決成立しました。また、それに先立つ5日の総務消防委員会では、大型汎用コンピュータオープン化に係る訴訟について報告がありましたが、極めて重要な課題ですので手を挙げ、下記の点を質しました。

委託した事業者に契約金返還と損害賠償金を求めた訴訟の第1審の判決が「帰責性」を5割とされた。その根拠が判決文に記載されていないのは市民感覚としては理解に苦しむ。第2審では市民が納得できる根拠が示されるようにしていただきたい。市民の貴重な税金を投入する限り、多くの人が納得する合理的な説明をする責任がある。
今後も、システムの構築や改修は避けて通れない。国と連動した標準化を進める時でもあるので、今回の教訓を活かしてシビアな総括を踏まえた改善に着手することを求めたい。

さて、松井新市長就任後初の本会議代表質疑は、7日と8日の両日に行われ、公明党議員団からは、8日に青野仁志副団長(中京区)、かわしま優子政調会長(伏見区)、兵藤しんいち政調事務局長(北区)の3名が登壇しました。

青野副団長は、「新たな行財政改革計画及び成長戦略」「スタートアップエコシステム」「市内中小企業の生産性向上支援の強化」「防災・減災対策」「学校施設の安全対策」について質疑した後に「美術館と学校との連携による鑑賞教育の取組」について要望しました。

青野議員の質疑は、コチラをクリックしてお読みください。

かわしま政調会長は、「今後の子ども政策」「ポストコロナ社会における観光戦略」「ライフステージに応じた女性への健康支援」「発達障がいを持つ子の家族への支援」「らくなん進都の産業集積と周辺地域のまちづくりの発展」について質疑。議員団で取りまとめた政策提言を踏まえた建設的な議論を展開しました。

かわしま議員の質疑は、コチラをクリックしてお読みください。

兵藤政調事務局長は、「都市の成長戦略推進のためのシビックプライドの醸成」「地球温暖化対策の推進」「高齢者活躍と居場所作りの推進」「動物愛護におけるマイクロチップの推進」について質疑した後、「休学中の学校敷地や市所有地の市民への開放」について要望。前向きな答弁が出ました。

兵藤議員の質疑は、コチラをクリックしてお読みください。

3月11日から予算委員会が始まり、3つの分科会に分かれた局別質疑が13日まで行われました。松井市長への総括質疑は18日。市民の皆さんからお預かりした大切な税金の使い道をシビアに検証し、未来を拓くために、充実した議論が繰り広げられました。

私は市長総括質疑で公明党のトップバッターとして登壇。「市政運営と成長戦略のビジョン」「予算編成と行財政改革計画」「市民参加型の対話」「障がい者支援」について質疑しました。

予算委員会総括質疑の原稿は「吉田たかおのよしダッシュブログ」にアップしましたので、コチラをクリックしてお読みください。

22日からは、予算や条例案など議案への態度を協議する議員会が26日まで続きました。公明党は令和6年度予算案に賛成する討論を、27日の最終本会議で西山信昌議員(下京区)が登壇しました。

討論は、松井市長の市政運営や予算編成について真摯に言及していますので、コチラをクリックしてお読みください。

本会議では、予算案を含め市長から提出された86議案すべてが可決されました。議員提出議案は国に送る意見書が11本協議され、次の8本が採択されました。

(1) 障害者相談支援事業に係る消費税の取扱いに関する財政支援及び非課税事業への見直しを求める意見書
(2) 建設アスベスト被害者の救済とアスベスト対策の拡充を求める意見書
(3) 再審法改正に向けた速やかな議論を求める意見書
(4) 持続的な学校運営体制の構築に向けた教職員定数及び給与の改善を求める意見書
(5) 若者のオーバードーズ(市販薬の過剰摂取)防止対策の強化を求める意見書
(6) 外国法人や外国人による土地等の取得、利用を制限する法整備を求める意見書
(7) 今国会での政治資金規正法の改正を求める意見書
(8) 地方創生に貢献するサーキュラーエコノミー(循環経済)の一層の推進を求める意見書

上記8本の意見書は、京都市会HPに全文が掲載されています。コチラをクリックして閲覧してください。

一方で、「子どもたちに最善の教育を保障するため教職員定数を抜本的に増やすよう求める意見書」「パーティー券も含めた企業・団体献金全面禁止と裏金づくりに関与した議員らの証人喚問を求める意見書」「武器輸出の禁止を求める意見書」の計3本は賛同が得られず、不採択となりました。

最終本会議では、令和6年度の常任委員会の構成が決定しました。私は産業交通水道委員会に所属し、経済活性化・観光振興・市バスと地下鉄経営改善・市民の命を守る上下水道のインフラなど、重要な政策課題を担当することとなりました。

また、市会運営委員会の副委員長と理事を継続して務めることとなり、決意を新たにしています。議会運営は今まで以上に複雑になってきます。気を引き締めていこうと思います。

最後に、5年間公明党京都市会議員団の団長を務めた湯浅光彦議員(右京区)が勇退し、新たに青野仁志副団長(中京区)が就任。清新な息吹でスタートしました。(議員団の代表幹事吉田は続投し、湯浅議員は府本部幹事長の重責を引き続き担ってまいります)

今後とも、議員団一同さらに団結し、現場第一で小さな声を聴き、たゆみなく研鑽に励んで、京都市に貢献する提言を積み重ねてまいります。頑張ります!