2023年2月市会レポート
3月22日、京都市会本会議が開かれ、2月市会(予算市会)で徹底的に審議された令和5年度京都市予算案や4年度補正予算案、持続可能な行財政運営を推進する条例案などの重要議案が可決成立しました。
まず、令和4年度補正予算は、国の緊急総合経済対策や市有地売却益等を財源に、138億9,600万を計上し、子育て支援(妊娠・出産で軽10万円支給)や送迎バス安全対策、橋梁・道路・校舎等の防災減災対策、物価高騰対策(燃料費支援)などとともに、議員報酬削減分を財源にした救急車両購入が組み込まれました。
条例案は、持続可能な行財政運営を促進する条例に加え、職員削減や伝統産業ミュージアム入場料設置、外環沿線の高さ規制緩和などがあり、その他、伏見区関連では小栗栖小中一貫校の新築工事契約と元向島中学校跡地売却等が審議され、可決成立しました。
令和5年度予算では、集中改革期間の3年目として、迅速かつ的確な改革の結果として22年ぶりに収支不均衡を克服し、基金取り崩しなどの特別な財源対策を「ゼロ」とする一方で、子ども医療費支援として自己負担額・月200円を小学6年まで延長(償還払い=立替の解消も実現!)が盛り込まれました。
それらに加えて、医療機関への支援や中小企業相談窓口強化、国民健康保険料率据え置き、ヤングケアラー支援、少人数学級、生物多様性センター設置など、公明党の主張が反映した予算案となっています。中学校給食制度の本格的な検討を求める請願も採択されました。異次元の子育て支援の目玉の1つとして、多方面から注目されています。
本会議代表質疑は、2月27、28日に行われ、公明党議員団からは28日に、大道義知議員(南区)、青野ひとし議員(中京区)、兵藤しんいち議員(北区)の3名が登壇。私が議長席で議事進行を務めました。
大道議員は、「新年度予算と行財政改革の促進」「行政のスマート化と組織風土改革」「物価高騰対策と企業立地促進」「コンパクトシティと昼間人口への戦略」を取り上げました。
大道議員の質疑は、コチラをクリックしてお読みください。
青野議員は、「子どもの幸せを最優先する子育て支援」「性別による無意識の思い込みの解消」「文化芸術による経済活性化」「芸術家が集積するまちづくり」について提言しました。
青野議員の質疑は、コチラをクリックしてお読みください。
兵藤議員は、「認知症対策と精神障がいの方への医療支援」「高齢者インフルエンザ接種」「ごみ減量分別・促進」「若者世代の移住・定住促進」を論じました。
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令和5年度予算案の審議は3月1日から始まり、3つの分科会で局別質疑が行われた後、13,14日に総括質疑が行われ、市民の皆様からお預かりした大切な税金の使い道をシビアに検証し、市民生活に資する政策に練り上げていく議論が展開されました。
22日の最終本会議では、予算案に対して各会派から何と13人が登壇して討論しました。まさに百花繚乱でしたが、行財政改革計画自体に反対し撤回を求める共産党と、より踏み込んだ身を切る改革を主張する京都党維新の会が、反対を表明しました。
これら少数意見を排除する積りは毛頭ありませんが、公明党はどこまでも「庶民」の側に立ってブレずに建設的な提言を積み重ね、価値を創造する「予算要望」を提起した立場として、賛成の論陣を張りました。
本会議賛成討論は、今市会で勇退する国本友利議員(左京区)が、15分にわたって理路整然と論じました。真摯かつ誠実な国本議員の、万感胸に迫る演説は議場を圧倒し、終了後は与野党の議員が拍手を送りました。(今任期で勇退する7人が本会議の最後で壇上に立ち、惜別の挨拶をされました。お疲れさまでした!)
国本議員の討論は極めて重要な内容ですので、関心ある方はぜひコチラをクリックしてお読みください。
国に送る意見書は、12本が市会提出議案として審議され、各会派の調整の結果8本が採択されました。「認知症の人も家族も安心な社会の構築を求める意見書」「新型コロナウイルス感染症の後遺症の方々の日常を守る取組の強化を求める意見書」「アスベスト被害を抑える対策の強化を求める意見書」「食料安全保障の確立に向けて地域の特色をいかした農業振興対策の強化を求める意見書」「エネルギー・食料品をはじめとした価格高騰等への追加対策を求める意見書」「こども政策の強化に向けた意見書」「性的指向・性自認に関する理解促進を図るための法整備を求める意見書」が全会一致で可決。「地域のグリーントランスフォーメーション(GX)の促進を求める意見書」は共産が反対しましたが賛成多数で可決しました。
「我が国の食料自給率向上を求める意見書」「物価高騰に見合う生活保護基準の引上げを求める意見書」「保育・学童保育制度の改善を求める意見書」「日本国憲法第9条をいかした外交を求める意見書」は否決されました。
意見書については、京都市会公式HPに詳細が掲載されています。コチラをクリックしてお読みください。
本会議終了後は、田中議長と共に最後の記者会見に臨み、今市会の報告に続いて、2年間の任期についても総括的に報告しました。
私からは、コロナ禍と経済再起動という有事とも言うべき転換期に於いて、市民の期待に応える議会に生まれ変わるため「初心」に立ち帰って、各議員が切磋琢磨して活性化を目指したい、との心情を吐露させていただきました。
京都市財政危機克服という極めて重大な課題についても、これからが正念場であるとの決意に立ち、全力疾走で頑張ってまいります!