京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

2021年9月市会レポート

2021年11月5日

9月22日に開会された京都市会9月市会は、補正予算案や決算、条例改正案などを審議し、途中で衆院選による日程変更を挟んで議論が戦わされ、11月5日の本会議で閉会しました。長丁場でしたが濃密な議論ができて良かったです。

市長から提出された議案49件は、予算・決算特別委員会や常任委員会で議論されたうえで、すべて原案のとおり可決・認定されました。教育福祉委員会に付託された敬老乗車証条例改正案と児童館条例改正案については、審議を尽くすべきと共産党と維新の会が『継続審査』を動議しましたが賛同を得られず、次いで『修正案』が共産提案及び京都・維新共同提案の2案提出されましたが否決され、最終的に原案が賛成多数で可決されました。

各々賛成・反対の立場から8名が討論に立ちました。足の引っ張り合いの追及合戦ではなく、政策の中身を掘り下げた活発な議論を戦わせる京都市会の誇りある姿勢が明確に表れたものと感激しました。中でも、友党・自民党議員団の吉井あきら議員(山科区)は、敬老乗車証制度発足時から対象者が4倍以上、市税負担額が17倍に増加している実態を指摘。長年の懸案であったこの制度が破たんするのを防ぎ、持続可能な内容に見直した制度改正を10年かけて段階的に積み上げて、利用者の利便向上を図る点を評価しました。

そのうえで、吉井議員は『修正案』に言及。共産案が現行制度を見直さずに億単位の追加コストを発生させること、京都・維新案が交付者の6割を占める非課税世帯の負担が10倍に引きあがること、この2点を明確に浮き彫りにして、市長提出の原案に賛成する根拠を理路整然と論じたのです。

吉井議員は、来夏の参院選京都選挙区に立候補することが決定している人材であり、2007年初当選の「同期の桜」です。私が市会運営委員会副委員長として活動していた同じ時期に委員長を務め、共に議会運営に汗をかき苦楽を共にしてきました。今回の本会議場での雄姿を目の当たりにして、改めて誇りに思いました。今後の飛躍を確信しています。

注目された2つの条例改正案については、公明党が付帯決議を各会派に提案しました。これと自民案・民主案とを折衷して教育福祉委員会で協議され、市民理解を得るための丁寧な説明と普段の点検を積み重ねることを求め、賛成に当たって決議しました。付帯決議の内容は京都市会HPのコチラのページをクリックしてください。

さて、今市会の最重要課題である令和2年度決算については、10月4日の書類調査を皮切りに局別質疑が8日まで濃密に行なわれ、18,19日に39名の委員が総括質疑に立って門川市長と突っ込んだ議論を展開しました。衆院選挙が終わった11月1日から議員会が再開され4日に討論結了。5日の最終本会議で8名の議員が討論に立ち、決算への態度を明確にした後の採決では共産以外の全会派が認定しました。

公明党からは兵藤しんいち議員(北区)が討論に立ち、財政危機に直面する京都市の未来を志向した政策重視の議論を展開しました。きわめて重要な内容を含んでいますので、ぜひPDFをクリックしてお読み下さい。

議員提出議案である意見書については、公明党提案の「出産一時金の増額を求める意見書」は全会派共同提案となり採択。自民党提案の「コロナ禍による厳しい財政状況に対処し地方財源の充実を求める意見書」は賛成多数で可決しましたが共産党は反対しました。意見書の内容は京都市会HPのコチラをクリックしてご参照ください。

なお、本会議代表質問は、9月30日と10月1日に行なわれ、公明党市会議員団からは青野仁志議員(中京区)、国本友利議員(左京区)、松田けい子議員(山科区)の3名が登壇。元気いっぱいに論陣をはりました。

青野議員は、「コロナ禍における行財政運営」「行財政改革における成長戦略」「京都スタートアップエコシステムの機能強化」「美術館と学校連携による鑑賞教育の振興」の4点を質疑。喫緊の課題を質しました。

国本議員は、「自治体クラウドファンディング」「水災害対策」「デジタル化に伴うマイナンバーカードの利便性向上」「賃貸住宅の残置処分」の4点を取り上げ、京都市にとって重要な課題を論じ、前向きな答弁を勝ち取りました。

松田議員は、「社会的孤立防止策に係る女性支援」「デジタル化に向けた電子図書、電子書籍貸出サービス」「インクルーシブな公園整備」「分譲マンションの管理適正化」を議論。現場の生の声に裏付けられた説得力ある質問でした。

代表質問では公明議員3名の登壇時に議長席に座って議事を進行しました。(写真左)また、5日の本会議終了後は田中議長と記者会見に臨み、議案審査の報告と議運で決定した働き方改革に資する議会運営の改善について説明し、記者からの質問を受けました。(写真右)

これからも、追及や糾弾で引きずり下ろすような劇場型政治ではなく、見直しや改善を提案する健全な議会をリードして、価値を創造する共生社会を構築する決意です。あっという間に11月市会が始まります。息つぐ暇はありませんが、真摯にひたむきに頑張ってまいります。!(^^)!