京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

2020年11月度教育福祉委員会

2020年11月11日

11月11日10時から京都市会第2会議室で教育福祉委員会が開かれ、兵藤しんいち副委員長(北区)とともに出席しました。9月市会にて付託された市税条例改正案が結了せず異例の継続審査となったことを受け、一昨日の総務消防委員会に続いて教育福祉委員会において理事者から説明があり、9人の委員から質疑が展開されました。

市税条例の改正によって、市民税非課税世帯の基準が見直され、約4万人の方々が課税されるとともに、合わせて各種減免措置が減少し後退することが余儀なくされるという極めて重大な案件です。しかもそれが森林税施行に合わせるとのこと。

コロナ禍の今この時に、しかも消費増税された直後の時期に、少なくない方々の負担が増大し福祉サービスの自己負担が増えるのです。これらの激変を緩和する経過措置も、現時点では詳細の決定がされていない実情なので、この質疑は大きな意味を持ちます。議案付託された議会中はもちろんのこと、11月に入っても総務消防委員である大道議員(南区)や湯浅議員団長(右京区)らと議論を重ねて準備しました。

私は、困窮する低所得者の支援を重視するとの1点でぶれずに質疑を行いました。(写真左)

コロナ禍であり消費税増税直後の今、所得割減免見直しの理由が「他都市より手厚いから」だけでは妥当性がなく説得力に欠ける。京都市の低所得者支援の再構築を行なう機会とする姿勢が大事である。
500億財源不足の危機を乗りきるため緊縮財政が余儀なくされる中、聖域なき取り組みとして今回の案件も検討することは理解できるが、共生社会を構築し、国連のSDGsの理念を推進するため、困窮する低所得者支援への手立てが必要ではないか。
条例の議決後に個人情報審議会や検討会(ワーキンググループ)で個別の実態を把握して具体的な措置を検討するとのことだが、 審議会で情報漏えいを理由に不可となったりしないのか。議決後に「やはり当初の想定より厳しい状況になります」となってしまわないか。こうした懸念を解決する必要がある。
経過措置の内容が具体的でないのは止むを得ないが、だからこそ「適用有無を判定する基準」が極めて大事である。早急に適切なガイドライン策定に着手することが必要ではないか。
国保や介護保険、後期高齢者対象者など真に支援が必要な人が、今回の経過措置の対象から外れる可能性があることは重く受け止めるべき。激変緩和・救済措置を幅広く丁寧に、あらゆる可能性を模索ずるべきである。
広報や個別周知で「所得割失格」という記述はネガティブなレッテルとなってしまいかねない。不適切と懸念する。「減免見直し対象の方(いわゆる所得割失格)」などの表現に工夫するなどの配慮が必要である。

福祉や子育てを所管する局に加え、財政当局も真摯に答弁しました。この問題は今後も重要案件として議論を重ねていくこととなります。しっかり研鑽を重ねていきたいと思います。

そのほか、北区の生活保護ケースワーカーへの処分および西京区の障害者支援施設の虐待事案に関する報告がありました。いずれも深刻な不祥事であり看過できない事案です。徹底した再発防止が不可欠と思います。

また、本市福祉関係の3施設(児童福祉センター・リハビリテーション推進センター・こころの健康増進センター)の建設用地で行われた土壌汚染調査についての報告と、食の安全安心推進計画策定に関する市民意見募集(パブリックコメント)の報告があり、それぞれ取り組み推進に関する質疑がありました。

請願審査では、医療機関への支援や介護サービス事業所人員基準ついて、共産以外の賛同が無く不採択となりました。一般質問では、「保健所体制強化」「入国者の待機問題」が取り上げられました。保健福祉局が終わったときは夕方5時半を超えていました。

休憩なしで行われた教育委員会の質疑では、少人数学級に関する請願が取り下げられました。西京区の小中一貫校計画への陳情については地元議員から質疑がありました。一般質問では、「市立学校の新型コロナ感染対策」「中学校給食」「旧伏見工業高校(現京都奏和高校)前の歩行空間」についての質疑がありました。

最後の子ども若者はぐくみ局では2件の報告がありました。「子育て家庭への食品配送・見守り活動に関する協定」は、支援を必要とする家庭に対して食料配送やLINEアプリ等での情報発信の取り組みを、社会福祉協議会とライオンズクラブ国際協会および京都市が役割分担して推進する協定が締結されたものです。

次に市営鏡山保育所(山科区)の民間移管についての報告では、民間活力に抵抗感を持つ共産党委員から反対の意見表明がありました。一般質問では、「児童館や学童保育」「子ども文化会館」「聚楽保育所」「小規模保育から保育園への移行」について質疑がありました。

委員会が終わったのは8時前でした。盛りだくさんな案件に対してすべての委員が発言したので、記録的な長時間になったと思います。いやー、クタクタですが充実した1日でした。

コロナ禍での緊迫した日々が続いています。市の財政もかつてない苦境に直面しています。ここ数年が正念場と思います。11月市会は17日に議案発送、25日開会本会議です。今から準備を怠ることはできません。気を引き締めて頑張ります!(写真右)