京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

2020年7月特別市会レポート

2020年7月10日

7月6日10時より、京都市会本会議が開かれました。(写真左) 国の第2次補正予算を受けて、5日間の会期で異例の「特別市会」で京都市補正予算を審議することとなったのです。

世界的パンデミックとなった新型コロナウィルス感染症と戦うための施策を多角的に盛り込んだ補正予算の概要は以下の通りです。

第2波・第3波に備えた検査体制の強化と感染拡大防止(28億2,700万円)
京都経済の回復と市民生活の下支え(62億400万円)
ウィズコロナ社会の安心安全と市民生活の両立支援(74億8,900万円)
新型コロナ対策予備費(令和2年度当初予算の見直しで捻出:14億3,700万円)
  当初予算見直し(減額補正:15億9,500万円)

内容は、PCR装置導入、3密回避のためのホテル空き部屋の避難所利用、社会福祉施設の感染拡大対策、農産物や花き販路拡大、伝統産業つくり手育成支援、商店街補助拡充、生活困窮者支援拡大、自殺防止対策、ひとり親支援特別給付金、子ども食堂との連携強化、学校再開の学習支援体制強化、GIGAスクールとオンライン教育推進、学生支援強化、文化芸術支援総合パッケージ等々、多岐に渡ります。

また、令和2年度当初予算の各事業をシビアに見直し、「減額補正」を断行しました。これは、4月に公明党議員団が提出した第1次緊急要望で求めたことが実現したもので、大いに評価できると思います。

短期決戦の過密日程であるため、6日は10時からの本会議で門川市長の提案説明を受けた直後の11時から、3つの分科会に分かれて補正予算を審議。私は第2分科会で、保健福祉局に「新型コロナ検査体制強化」「自殺防止対策」「民泊対策等の減額補正」を質疑。(写真右) 

新型コロナ感染症対策では、全自動PCR装置2台増設と検査員が4人から14人に増員されます。コロナ禍のストレス等による精神的負担への眼差しは重要であり、長期ビジョンの施策を求めました。

同じく第2分科会では、松田けい子議員(山科区)が子ども若者はぐくみ局に対し、「児童養護施設等の退所者への支援について」「支援対象児童等見守り強化事業について」を質疑しました。2事業とも、困難な状況にある、気がつかないといけない児童へのアプローチとなる重要な事業です。

兵藤しんいち議員(北区)は、教育委員会に「GIGAスクールとオンライン教育」「プラネタリウム感染防止」について質疑。湯浅光彦議員(右京区)が建設局に「自転車政策の減額補正」等を取り上げました。

7,8日の常任委員会の質疑の後、9日は各会派の議員会で予算案について協議するとともに、自民党から提案された意見書案と決議案の調整。特別議会のため会派の代表は議運の理事が務めることとなり、私が渉外役を担当しました。

夕方の予算委員会討論結了と議運で大筋が固まった後、10日午前10時からの最終本会議で補正予算案が全会一致で可決成立しました。予算特別委員長の審議経過報告の後に5会派の代表が賛成討論に立ち、迅速な予算執行を求めました。

公明党からは平山よしかず政調会長(西京区)が登壇。平山議員が発表した公明党の「賛成討論」のPDFは、コチラをクリックしてください。

さて、定例会ではない「特別市会」では意見書と決議は審議されないのですが、今回は特別な事情を鑑み、「特別定額給付金の給付基準に関する意見書」と「森川央議員に対する辞職勧告決議案」が議員提案され、全会一致で採択されました。

特に後者は、政務活動費の不適切な計上という極めて深刻な問題が浮上した5月市会で「問責決議」が採択されたものが、議長職権の徹底調査や監査委員の遺憾の意表明などに進展する中、議員としての資格があると認められないと断ずるに至った経緯があり、マスコミからも大きな注目を浴びました。

この2件の議員提案議案については、京都市会HPに掲載されていますので、コチラをクリックしてご覧ください。

議会は1つの区切りとなりましたが、コロナとの闘いは続きます。7月に入ってクラスターも発生するなど、第2波の懸念も取りざたされています。まさに正念場を迎えていると思います。気を引き締めて、真剣の二字で奮戦する決意です!