京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

2020年5月市会レポート

2020年6月2日

5月19日10時より、京都市会本会議が開かれました。6月2日までの集中審議となりますが、世界的なパンデミックとなり国難とも言うべき新型コロナウイルス対策の補正予算案や条例案などを議論する中身の濃い議会となりました。

開会本会議では、門川市長から提案説明があり、議案が委員会に付託されました。終了後、公明党京都市会議員団10名は門川市長を訪れ「新型コロナウイルス感染症対策の更なる強化を求める緊急要望(第2次)」を提出。約30分にわたり意見交換しました。(写真左)

市長は「思いは同じです。真摯に受け止め、全庁挙げて取り組みます」との決意を表明。京都市の未来がかかる重大局面であるとのシビアな認識を共有し、知恵を結集して全身全霊で尽力する決意を固め合うことができました。

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22日は本会議代表質問。本会議場内には半数の議員が入り、残りの半数が隣の控室(2会場)で待機してリモート画面を視聴する3密対策を敢行。2時間ごとに入れ替えする苦肉の策ですが、各会派とも真摯に受け止め協力したので、まったく混乱はありませんでした。演壇と議長席には感染防止のアクリル板を設置し、発言ごとにマイクを消毒する対策も講じました。

代表質問は、公明党議員団からは大道義知議員(南区)と松田けい子議員(山科区)が登壇。大道議員は、「中小・個人事業者等への支援強化」「コロナ禍で奮闘されている妊産婦を応援する取組み」「子ども達の心のケアと学校再開後の学びの支援」の3点について質疑しました。

中小企業支援についての答弁では、市長が4月市会で成立した補正予算で実施した補助金への申請数が想定の倍を超えた事実を重視し、今市会の期間中に追加提出する増額補正予算で申請の満額を支給すると明言しました。

あわせて、妊産婦支援として「仮称・みらい応援給付金」を提案。特別定額給付金の対象外である4月28日以降に生まれた赤ちゃんにも一定額を支給する独自制度を制度設計する京都市独自の支援策となるもので、翌日の京都新聞に大きく報道されました。

松田議員は、「コロナ禍における避難所運営」「熱中症対策」「女性視点の防災対策」「多胎児支援」などを質疑。特に、避難所運営については地震が頻発している時期であり、梅雨や台風の季節を控えるとの問題意識に立ってキメ細かく質したのですが、翌日の京都新聞で報道されると共に、議会中の27日に追加提案された補正予算案にも盛り込まれました。大きな成果ですね!

さて、5月市会で提案された補正予算は、12日に提案されたものに加え、急きょ27日に追加で編成されました。25日と28日に3つの分科会で徹底的に議論されました。下記に主な内容を紹介します。

5/12提案
飲食店デリバリー促進(5千万円)、宿泊業・飲食店支援需要喚起事業(2億円)、妊婦PCR検査助成(1億500万円)、PCR検査拡充と相談体制強化(9千200万円)、医療機関への支援金(1億6千500万円)、保育園健診再開(5千300万円)、オンライン学習環境整備(GIGAスクール26億9千600万円)、図書館の消毒液や消毒器など(2千600万円)ほか、計42億700万円

5/27提案
文化芸術活動緊急奨励金拡充(2億円)、中小企業緊急支援補助金拡充(15億円)、伝統産業支援(2億円)、商店街緊急支援補助金(6千万円)、学生の学び環境創出事業(1千100万円)、抗原検査公費助成と検査機器購入(4千100万円)、避難所の感染拡大対策(5千500万円)ほか、計28億1200万円

私は予算特別委員会の第2分科会に所属し、「妊婦PCR健診助成制度」と「抗原検査助成制度」について質疑しました。25日では、未来の宝である赤ちゃんを産み育てる妊産婦さんの心に寄り添い、困窮者へのケアと新たな給付金への取り組みを提言。28日には、救急病院等の事務負担や感染リスクの軽減が必要との問題意識で質疑しました。

常任委員会のうち付託議案があるところは26日に行われ、私が所属する教育福祉委員会は27日に開会。そこでは、一般質問で「ひとり親への支援」「働く妊婦への支援」を取り上げ、国の第2次補正予算と連携して、迅速かつ的確な制度設計を求めました。市教委には「学校再開時の児童生徒へのケア」を求めました。感染防止・熱中症対策などに加え、受験生へのきめ細かなケアや部活のモチベーション向上の重要性を論じたものです。

28日には本会議で追加の補正予算が提出され、その直後に予算特別委員会の分科会が開かれました。コロナ対策で質疑の時短を重視し、スピード感ある予算執行を進めるためです。3つに分かれた分科会でも感染拡大防止などの措置がありましたが、終了後も個別でヒアリングするなどして中身を精査し、それらをもとに議員会で協議を重ねました。

29日と週明けの6月1日に各会派で付託議案などを協議する中で急浮上したのが、日本維新の会所属議員の政務活動費不適切使用問題です。議長権限で厳格な調査を要請している渦中ではありますが、過去に何度も問題を起こしている同議員が、今回は高額の支出を二重計上し、監査等で指摘されて返金したことは事実であり、政治倫理条例の規定に反する行為であることは明白です。本人が説明責任を果たさない状態の上、会派も断固たる措置を取らない状況を看過できず、異例の問責決議案を協議することに。最終日は夜9時過ぎまで断続的な調整を図ることになりました。

2日の最終本会議で、補正予算の討論と採決が行われました。私は公明党を代表して登壇。賛成する理由を述べ、今後の予算執行への重大な点を指摘しました。賛成討論の原稿をPDFにしましたので、関心ある方はコチラをクリックしてください。

また、廃棄物適正処理条例改正や火災予防条例改正などが可決された後に、監査委員や教育委員、人権擁護委員などの人事の承認と共に、市長・副市長の夏季手当を削減する議案と、議員の月額報酬と夏季手当を削減した1億円を基金に編入する議案が可決成立。市長も議員も新型コロナで困窮する方々のために、文字通り身を削っていく決意を具体的なカタチにしたものです。

国に送る意見書は、自民党提案の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金をはじめ、地方に対する財政措置の一層の充実を求める意見書」と「新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けた医療機関等に対する支援の拡充を求める意見書」は全会一致で採択されましたが、共産党から提出された「国家公務員法等の一部を改正する法律案から検察庁法改正案を切り離して廃案にするとともに、黒川弘務氏定年延長の閣議決定の撤回及び一連の真相究明を求める意見書」は、他の全ての会派から反対され不採択となりました。

5月市会で市長から提案された補正予算など39議案と、議員側から提案の報酬削減案と意見書、問責決議の5議案の内容と各会派の賛否は、京都市会HPにて公開されています。コチラをクリックしてください。なお、京都市会HPではインターネット中継のページがあり、本会議や予算委員会、常任委員会の質疑や討論が視聴できます。ぜひ閲覧してください。

5月市会は終わりましたが、国が第2次補正予算で新型コロナの影響を受けた中小企業や飲食店の賃料支援、バイトも帰省もできずに困窮する学生への支援、経済再生への支援、感染拡大対策などを正式に決定すれば、次の9月市会まで待たずに7月頃めどで補正予算を審議する議会が開かれる可能性があると思います。

6月も常任委員会が開かれます。日常活動の中で立て込む政務調査や現地視察も次々と入ると予想します。何より、多くの市民の皆さんからの声を真正面から受け止め、行政との橋渡しをする労作業は待ったなしです。勇気を奮い起こして、心身共に爽やかにダッシュしていく決意です。!(^^)!