京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

2019年11月市会レポート

2019年12月13日

11月29日10時より、京都市会本会議が開かれました。11月市会は12月13日までの15日間の短期決戦の集中審議。子どもたちの交通安全対策や、米国やEUへの牛肉の輸出認定取得に向けた中央食肉市場の設備導入などの補正予算案と、客引き条例改正案など重要な議案を徹底して議論しました。

開会本会議終了後、公明党議員団10名が門川大作市長を訪れ、令和2年度予算編成に関する要望書を提出。「風水害対策」「中小企業支援」「持続可能な都市文明の構築を目指す京都宣言の発信」等の55の重点要望を含む、192項目の多岐にわたる政策の実現を求めました。

市長は「大変に重大な提案です。十分に検討して、予算編成をはじめ今後の市政に最大限活かしてまいります」と述べました。期待大です。(写真右)

12月4日は本会議代表質問で、各会派の代表10名が登壇。公明党からは私と国本友利議員(左京区)が市政一般について質問に立ちました。国本議員は、「観光政策」「建設事業者の担い手確保」「防災教育」の3点を議論。いずれも市長・副市長から前向きな答弁を勝ち取りました。

私は、「門川市政3期12年の総括と展望」「生活困窮家庭の子どもの学習支援」「共生社会に向けた日本語教育」「高齢者など交通弱者の移動支援」という4点の課題を取り上げました。(写真左)

今、現実社会への不満を過剰に刺激するポピュリズムが猛威を振るっています。ポピュリズムが過熱したら冷酷な「分断社会」になり、不信と対立が嵩じて足の引っ張り合いが繰り返されると、社会的弱者が孤立する負のスパイラルとなると指摘しました。

弱者切り捨てが進行し手遅れになってしまわないために、真の「共生社会」に向けた建設的な議論を積み重ねていくとの強い決意に立ち、地球民族主義に裏付けられた生命の尊厳と人権の尊重を基調として、価値を創造する政策提言をさせていただいたものです。

詳しくは、吉田たかおのよしだッシュブログに質疑の模様を掲載していますので、関心ある方はコチラをクリックしてください。

そのほか、他会派の議員からは「財政健全化」「地下鉄転落防止柵」「京都コングレス」「男女共同参画」「災害対策」「薬物乱用防止」などが議論されました。

5日の予算特別委員会は、3つの分科会に分かれて補正予算案を審議。私の所属する第3分科会では中央市場で和牛輸出のために欧米の基準に合わせる新技術を投入する予算について、10名の委員が熱心に議論しました。他の分科会では職員等の給与を人事院勧告に合わせて引き上げる件で活発な意見交換が展開されました。

さて、今市会のハイライトは、私が所属する文化環境員会で「京都市交通安全基本条例」改正案を“委員会提案”という形で議論を重ね、全会一致で可決成立したことです。議員提案条例(議員立法)の新たな局面を切り開く画期的な展開となりました。

内容は、同条例第11条「飲酒運転等の根絶」を改正するもので、ここ数年で大きく関心を集めている「あおり運転」を条文に加えて「危険運転の根絶」を目指すものにグレードアップすることとなります。自民党と公明党のタッグで議会改革に新風を吹き込んだと自負しています。

それに加え、常任委員会一般質疑で私は「文化財保護と最新技術の活用」の新展開を促しました。湯浅委員長が決算委員会総括質疑で取り上げた未来性の大きい政策で、この質疑によって府市協調で大きな前進が図られることとなりました。良かったです。

10日からは各会派で断続的に議員会が開かれ、付託議案への態度を協議するとともに、国に送る意見書や市会決議への調整が重ねられました。公明党から2本を提案。「令和元年台風19号からの復旧・復興に向けた対策を求める意見書」は全会一致で、もう1つの「スマート農業の実現による競争力の加速を求める意見書」は賛成多数(共産と民主が反対)で採択されました。

共産党提案の「桜を見る会疑惑の徹底解明を求める意見書」と「市民生活と住環境を最重要視した持続可能な観光政策を求める決議」は、民主や維新からも賛同が得られず不採択となりました。ポピュリズムで政治利用するやり方はちょっとおかしいですよね。

12月13日の最終本会議では、補正予算案や客引き禁止条例改正案、人権擁護委員等の追加人事案件を加え、計71議案が採決され、可決成立しました。「身を切る改革」を標榜する会派が給与引き上げに反対しましたが、京都活性化のために奮闘する職員への敬意や配慮に欠ける姿勢ではないかと感じます。

71議案のうち議員側の提案は3つ。先に紹介した交通安全基本条例改正案と2本の意見書はいずれも公明党が大きく関与したものです。議会改革の先陣を切った結果と胸を張って報告します。11月市会の審議結果については京都市会HPに掲載されています。ご関心ある方は、コチラをクリックしてください。

この議会では議員活動のエポックメイキングともいえる本会議代表質問を担当することとなり、時間をやりくりして政務調査を積み重ねました。苦労した甲斐があり、前向きな答弁を勝ち取ることができました。ホンマに良かったです。資料収集や現地調査などしていた時期は暑かったのですが、もうすっかり冬になってしまいました。早いものです。

いよいよ年末年始。慌ただしい季節がやってきます。今年は市長選挙もあり、スケジュールがパンパンで大変です。京都の未来が決まる大事な時期です。全身全霊をかけて頑張ってまいります。