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平成31年度京都府後期高齢者医療広域連合議会

2019年2月8日

2月12日に平成31年度予算案や条例案が発送され、本格的な予算市会がスタートします。議会運営を担当する議運理事は議案の概要を頭に叩き込まなければなりません。各局の理事者から事前レクチャーを連続して受けるため、2月8日は早朝街頭を休んで電車に揺られ、午前8時過ぎに登庁。怒涛のような濃密な時間との戦いを展開しました。

10時からの産業交通水道委員会は議題が少なく、約1時間で終了。その後も昼過ぎまで立て続けに説明を受けました。大変ですが、重責ならばこその多忙なので、気を引き締めて頑張っています。

その後、午後1時30分から始まる京都府後期高齢者医療広域連合議会の平成31年度第1回定例会のため、四条烏丸のCOCON烏丸に移動。京都市会から4名選任されている広域連合議員として、30年度の一般会計と特別会計の補正予算、31年度の一般会計及び特別会計の予算などについて質疑に臨みました。

補正予算は全会一致で、来年度予算は賛成多数で可決。後期高齢者医療に関する条例の改正案では、10年前の導入時に特別に激変緩和として設けられた「保険料軽減特例措置」の見直しが提案され、質疑の結果、賛成多数で可決されました。

それに先立つ「一般質問」で、私は4年間在籍した集大成として登壇し、概括的な観点として「後期高齢医療制度の課題認識」を質すとともに、今後の大きなテーマである「保健事業」について更なる充実を議論しました。そして最後に、「軽減特例措置」が見直されるという重要な課題について、責任ある説明を求めたのです。

広域連合長からは、急激に進行する高齢化時代の社会保障を安定させ、持続可能なものへ強化するための諸施策を、各市町村と連携し衆知を集めて充実するとの決意と共に、丁寧な説明を重ねていくとの誠実な答弁がありました。

重要な質疑ですので、下記に質問原稿を掲載させていただきます。ご関心ある方はお読みください。


京都府後期高齢者医療広域連合議会 一般質問

京都市会選出の吉田孝雄でございます。先に通告しております項目に従いまして、質問させていただきます。

≪後期高齢者制度の課題認識について≫

まず第一に、後期高齢者医療制度の課題認識についてお聞きします。本制度は、国民皆保険を堅持し、将来にわたり持続可能なものとしていくことを目的とした医療制度改革の一環として創設されたもので、施行から10年余りが経過するところであります。

また、広域連合は、この制度を円滑に運営していくため、都道府県毎に設置され、本広域連合においても、この10年間で被保険者数が3割、医療費が4割増加する中で、安定的にまた堅実に運営されてきたことに対し、歴代の広域連合長をはじめ、関係の職員の皆さんに敬意を表するところであります。

そのような中で、堀口広域連合長におかれましては、昨年4月に連合長に就任され、1年が経過するところでありますが、後期高齢者数や医療費はさらに増加が見込まれるとともに、医療費の適正化さらには保健事業の充実などの課題もあり、ますます困難な舵取りが求められるものと考えております。

広域連合長は、現役の市長として、また、国保連合会の理事長を歴任されるなど、医療保険に対する造詣が深いものと承知しております。後期高齢者医療制度についてどのように課題認識しておられるのか、そして、今後どのように広域連合を運営していこうと考えているのか。御所見をお伺いいたします。

≪保健事業の取組について≫

次に、保健事業についてであります。後期高齢者の保健事業の実施については、いわゆる高確法で広域連合に努力義務が課されており、保健事業実施計画でも成果指標として各事業の目標値を設定されるなど、体制面や財政面などの制約がある中で、市町村と連携しながらその推進に取り組まれているものと承知しております。

国においても、保健事業の実施等に関する指針の中で、高齢者ができる限り長く自立した日常生活を送ることができるよう、生活習慣病等の発症・重症化予防や心身機能の低下防止に向けた支援、フレイル対策が必要であり、健康寿命の延伸にとって保健事業の充実が極めて重要であると理解しております。

しかしながら、例えば、健診事業においては、その受診率は2割強であり、現役世代の特定健診受診率と比較しても大きく下回っている状況にあります。現実には、広域連合の取り組み努力と結果がなかなか結びついていない状況にあることを看過できません。

昨年、国において「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議」の報告書がまとめられました。保健事業と介護予防が一体的に進められるものであり、その展開が期待されるところでもあります。

つきましては、今年度の保健事業、とりわけ重点事項に掲げる重症化予防及びフレイル対策等の取り組みの状況と、介護予防との一体的実施について、今後、どのように取り組んでいこうと考えられているのか、お伺いいたします。

≪保険料の軽減措置について≫

3点目は、後期高齢者医療制度における保険料の軽減措置についてであります。私は、この広域連合の議会議員として4年近くが経過しますが、この間、毎議会、被保険者の負担のあり方をめぐって、繰り返し議論が行われております。

私も、高齢者の皆さんの状況をお聞きするにつけ、できる限り負担を軽減するべきとの思いは持っておりますが、一方で、その財源をどうするのか、高齢者の増加、現役世代の減少の中で、どこにその負担を求めるのか、さらには医療費の適正化をどう進めていくのか、これらの重要な問題を避けて通れないことを重く認識している一人であります。

後期高齢者医療制度が定着する中で、制度が創設される時に講じられてきた暫定的軽減措置を見直す動きが、急激な負担の緩和措置を講じながら行われてきております。今、なぜこの見直しが必要なのか、被保険者の皆さんに十分理解をしていただけるよう、説明していく必要があります。そしてまた、我々議員にもそれが求められるものと考えるところです。

今議会でも、医療保険制度改革の一環である保険料軽減特例制度見直しの条例改正案が提案されておりますが、この間の医療保険制度改革、とりわけ後期高齢者医療制度の見直しの必要性について、改めてお聞きしたい。

制度問題については、社会保障制度全体の枠組みの中で国において整理されるものであり、後期高齢者医療制度の枠を超えて説明いただくことはなかなか困難であることは理解しておりますが、可能な範囲でお答えいただきたいと思います。

以上3点について、簡潔な答弁をよろしくお願いします。ご清聴ありがとうございました。