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2018年9月市会後半戦レポート

2018年10月25日

9月19日に開会した9月市会集中審議は、10月25日の本会議で幕を閉じました。災害復興支援の補正予算と29年度決算などの重要議案を審査しましたが、今回は後半戦レポートをご報告します。

平成29年度の一般会計や公営企業の決算を、10月1日の書類審査、2日の説明聴取の後、3日から3つの分科会に分かれて局別質疑が行われました。私は第3分科会で産業観光局・交通局・上下水道局にへの質疑。市民の皆さんからお預かりした大切な税金の使い道をシビアに検証し、市民生活に資する政策に昇華するため、徹底して議論しました。

3日は産業観光局に対し、「新たな価値を創造する知恵産業の創出」「京都観光を担うDMO体制」「コンテンツ産業振興」の3点を質疑。下記に概要を紹介します。

(1) 経済活性化には前例主義にとらわれないオリジナリティが活力を生む。京都の強みはベンチャー精神で新しいビジネスを切り開いていた歴史である。ものづくりベンチャー支援事業で起業希望者のネットワークを支援してきたが、これを戦略的に拡充して、優秀な若者が京都で会社を立ち上げ雇用を創出し家庭を営むという、良い流れを構築していくべき。
(2) DMO体制を機能強化し、観光客のニーズを的確に把握して事業者への適切な支援を積み重ねてもらいたい。京都に宿泊し長期滞在してもらえるよう、言葉の壁への対策や魅力あるコンテンツを提供するべき、その1つとして、自転車を活用して散策する「散走」というコンセプトを提案したい。
(3) 5月市会代表質問で取り上げたコンテンツ産業は、京都マンガアニメフェアが前進したと評価される。これを、単発ではなく点と点をつなぎ面としていく方向が大事。マンネリとなって飽きられないようオタクの意見を積極的に求め活用するべき。クリエーター育成も柔軟な発想で充実してもらいたい。

4日は交通局への質疑1日目。私は地下鉄について下記の点を論じました。

(1) 駅構内の照明のLED化は、安全対策として重要。止水版設置については、豪雨が増加しているので従来の計画を再点検するべきでは。防災訓練も重視し、駅ごとの状況に合わせて適切な計画にグレードアップしてもらいたい。
(2) 人身事故や災害の際に運転見合わせする時に、駅の改札の目立つ場所に分かりやすく告知するべき。
(3) 駅ナカビジネスは、中期経営方針で定めた10億円収入を目標の1年前倒しで達成したのは評価できる。マンネリで飽きられたら衰退する懸念がある。様々な声を求めグレードアップするべき。

4日は市バスについて質疑しました。

(1) 観光客の増加に合わせダイヤを改正したが、夜間バス増便も公共交通機関との連携を重視していくべき。
(2) 「おもてなしコンシェルジュ」は定着しているが、観光スポットでのさらなる活躍が望まれる。コスチュームの工夫など現場の声を重視して改善を重ねてほしい。人材の育成も重要である。
(3) 市バスの混雑対策は喫緊の課題。一般市民が観光客を迷惑と受け止める事態は大きな懸念。乗り場を分けるとかスーツケース置き場の工夫も大事。
(4) 手ぶら観光の促進が今後クローズアップされる。また、バス待ち環境についても高齢化対策・観光客サービスとして、最新技術の工夫などで時刻表を見やすくするなども検討して頂きたい。

連休後の9日と10日は上下水道局への質疑。まず、決算概要について下記の点を論じました。

H20年度から10年計画で策定された「京の水ビジョン」最終年であり中期経営プランの締めくくりであり、目標達成は評価できるが、有収水量や純損益は3年連続黒字とはいえ減少している。中長期のビジョンが重要である。耐震と雨に強いという2つの視点を重視して、今後の事業推進を図ってもらいたい。

また、具体的施策として、「創エネルギー」「浄水施設強化」「災害時の対策」などを論じました。特に夜間や休日の対応について、専門的な対応をとる体制を整備することが表明されました。

16,17日は、門川市長への総括質疑。私は2日目のトップバッターとして登壇し、「上下水道決算概要」「駅ナカビジネス」「市バス混雑対策」「知恵産業の創出」「コンテンツ産業振興」の5点を論じました。

詳細の議論は、「吉田たかおのよしだッシュブログ」に収録しています。関心のある方は、コチラをクリックしてご覧ください。

決算委員会のクライマックスが終わった後は、各会派で断続的に議員会が開かれて議案への態度を協議。その合間に、国に送る意見書や決議の調整が行われました。

通常なら、最終本会議の前日に委員会の討論が結了する時間が夕方頃なのですが、今回は様々な要素が絡み合って議論が膠着し、夜の8時過ぎにようやく決算委員会が終了。議運が終わったのが、日付が変わる直前という超ヘビーな最終日となりました。

10月25日の本会議では、各常任委員長の付託議案の審査報告の後に、決算委員長の報告があり、これに対する賛成反対の立場からの討論が行われ、各会派から8名が登壇。公明党からは川嶋優子議員(伏見区)が理路整然と賛成の理由を述べるとともに、今後の課題を指摘しました。

人事委員会委員や教育委員会委員の人事案件、澱川右岸水防事務組合議員の補欠選任を含め、市長から提案の55議案は、すべて可決成立しました。これで、一気呵成に来年度予算編という重要な局面に突入です。当然、決算委員会や補正予算委員会、常任委員会などで議論した私たち議員の主張も反映されるのは間違いありません。

さて、国に送る意見書では、公明党が提案した5本はすべて採択されました。「学校施設や通学路におけるブロック塀等の安全確保を求める意見書」「地方消費者行政に対する財政支援(交付金等)の継続・拡充を求める意見書」「児童虐待防止対策の更なる強化を求める意見書」「キャッシュレス社会の実現を求める意見書」「水道施設の戦略的な老朽化対策を求める意見書」です。

自民党提案の「地震や台風等の災害対策に関する意見書」は全会一致で採択されましたが、「幼児教育・保育の無償化にかかわる国への意見書」に対しては共産党が反対し賛成多数での成立となりました。

共産党提案の「生活保護基準の引下げ撤回と保護制度の改善を求める意見書」と「消費税増税中止を求める意見書」の2本と、維新の会提案の「消費税増税凍結を求める意見書」は、いずれも他会派の賛同を得られず不採択となりました。

また、決議は災害対策強化を求めるものと、不祥事によってNPO法人理事長を解任された市会議員を問責するものの2本が全会一致で採択されました。不祥事を起こした議員への問責決議は初めてとのことです。

市長からの提案議案と、意見書等の議案についての詳細は、京都市会HPの「平成30年定例会(9月市会)議案・審議結果」に掲載されています。関心ある方は、コチラをクリックしてご覧ください。

長丁場の市会集中審議が終わり、公明党議員団として来年度予算編成に対する要望をとりまとめる協議が本格的に始まります。休む間もなく11月市会の議案が11月15日に発送され、22日から12月7日まで集中審議が行われることも理事会で決定しました。

来年4月の改選の統一地方選まで、統一外選挙(舞鶴市・亀岡市)や党員登録、文化フォーラムなどの党務も目白押しです。それ以外にも地域の行事や式典も行われますし、常任委員会も定例で開催されます。多忙さが増すばかりで大変ですが、労多きことを誇りとしながら、パワー全開で頑張ってまいります!!