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2018年9月市会前半戦レポート

2018年10月4日

9月19日に本会議が開かれ、9月市会集中審議が開幕しました。10月25日までの長丁場。災害復興支援の補正予算と29年度決算などの重要議案を審査する、極めて大きな意味を持つ議会です。今回は前半戦レポートとして「補正予算委員会」「議員研修」「代表質問」をご報告します。

20日は市会第5会議室で予算特別委員会第3分科会に出席し、産業観光局関連の補正予算案に対し質疑。内容は、「大阪府北部地震」に関連し中央市場などのブロック塀安全対策と、「西日本豪雨」で被害を受けた農業および林業の復旧支援事業についてです。

私は、公営党議員団を代表して質疑に立ちました。(写真左)

(1) 農林業の被害を復旧する5,600万円の補正予算を組んだ直後に、台風21号被害が重なった。二重被害のケースも多いのできめ細かく実地調査し掌握漏れがないようにしていただきたい。情報錯そうの懸念あるので、局の壁を超えて連携をとるべきである。
(2) 復旧支援については、地元負担分を賄いきれなくて放置せざるをえないケースが出てしまう懸念がある。抜本対策としてビニールハウスの素材等を強化するなどの情報提供を含め、きめ細かく尽力してほしい。
(3) 旧公設市場跡地のブロック塀安全対策は、各々の地域の特性を考慮して具体的に進めるべきである。

連休明けの25日に議員会で協議した後、委員会で討論結了。26日の本会議で全会一致で可決成立しました。同時に間髪を入れず台風21号被害を受けて緊急で再度の補正予算が提出され、決算委員会の合間を縫って予算委員会が開かれることとなりました。

10月1日の補正予算委員会でも、第3分科会で私が公明党を代表して質疑に立ち、下記の議論を展開しました。

(1) 災害復旧は被害を受けた方に寄り添い苦情や要望を受け止めるという、デリケートで困難な仕事だが、危機管理能力を満天下に示す機会と受け止め、市格向上のため頑張ってもらいたい。
(2) 倒木や土砂崩れ等で通行止めとなって「陸の孤島」になった場合、極めて深刻な困難に直面するので、今後の抜本的対策を局の壁を超えて推進していくべき。
(3) 農業設備修復支援は、本市独自の地元負担軽減策が実施されるが、それでも負担と感じるケースもあり、手放す等の決断が出るかもしれない。今後は共済制度への支援を検討するなど負担感の軽減を図ってもらいたい。
(4) 農作物被害への補償のため「保険」制度拡充が発表されたので、広報周知を強化してもらいたい。

住宅被害や公共施設被害などは他の分科会で審査され、10月3日に委員会討論結了、4日の本会議で可決成立しました。地震や豪雨、台風など自然の猛威にさらされた災害に対し、迅速な支援策を講じた市当局の決断に対し、議会側もスピーディーに応じて、予算が執行されることとなります。いざという時の危機管理は大事だと実感します。

さて、9月26日の本会議終了後に恒例の議員研修が行われ、「京都市役所開庁120年を振り返る ―近代京都の都市改造と公共性―」とのテーマで、伊藤之雄京大名誉教授の講演を学びました。

伊藤教授は、「第一琵琶湖疏水の建設」「三大事業(第二琵琶湖疏水の建設・上水道の建設・道路拡張及び市営市街電鉄の敷設)」と「第一次大戦後の都市計画事業」について、京都市が景観保全の取組から公共性の概念が定着した歴史を解説。市民の声を受け止めた市会議員らの行動も紹介されました。

質疑応答では私が1番手で挙手し、「①明治維新直後の府政・市政発足当時の人材確保や育成について」「②大正期の都市計画推進や戦時中の強制疎開などで立ち退きを余儀なくされた市民の生活保障」「③100年前から世界の最先端を切っていた景観政策の源流は何か」の3点をお聞きしました。

国のビジョンに迎合したり追随するのではなく、伝統文化と最新文明を融合して京都の礎を築いた町衆の心意気を、あらためて誇りに思いました。そのうえで市民に身近な市会議員の重要な使命を痛感しました。

“議会の華”とも言われる本会議代表質問は、9月27,28に2日間行われ、「財政運営」「防災・減災」「教育」「民泊」「児童虐待」などの重要な政策課題が取り上げられました。

公明党議員団は28日10時から、平山よしかず議員(西京区)、国本友利議員(左京区)と久保勝信議員(山科区)の3人が登壇しました。(写真右)

トップバッターの平山議員は「認知症対策」「山間地域の防災対策」「AIの活用」等を議論。国本議員は「災害時の情報伝達」「災害時のトイレの洋式化」「乳幼児の小児がんの早期発見」等を取り上げ、久保議員は「姉妹都市交流の深化」「留学生支援」「持続可能な都市構築プラン」等を質疑しました。

いずれも前向きな答弁を引き出すことできました。良かったです。市民目線の政策提言が、京都活性化に貢献することができると、改めて確信することが出来ました。

10月に入って決算委員会が始まっています。市民の皆さんからお預かりした大切な税金の使い道をシビアに検証し、市民生活に資する政策に昇華するため、徹底して議論しています。次回の市会だよりで、9月市会後半戦のレポートをお届けします。ご期待ください!