京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

2018年度4月度産業交通水道委員会

2018年4月25日

4月25日10時から市会第5会議室で産業交通水道委員会が開かれ、湯浅光彦委員(右京区)、かわしま優子副委員長(伏見区)とともに参加しました。年度が改まって最初の常任委員会。清新な決意で質疑に臨みました。

まず、産業観光局から理事者紹介と事務事業概要説明の後、中小企業支援の法整備を受けた対応についての説明があり、3名の委員から質疑がありました。

「京都市観光振興計画2020」の目標の修正と事業充実についての説明には4名の委員から質疑があり、私も最後に手を上げ観光振興について論じました。

外国人観光客300万人目標が5年前倒しで達成し、観光消費額1兆円目標も4年前倒しの達成とのことだが、経済波及効果の実感や税収増に直結しない実状がある。分析・検証を重ねるとともにサービスの質の向上が重要。
3つの集中(季節・場所・時間)問題への解決を図るべく「PDCA」サイクルを重視する中、単なるチェックではなく「2つのD(議論と決定)」が徹底する方向性を重視するべき。(=PDDDCAサイクルという新たな概念)
地域主体の観光政策を重視するビジョンが発表されている。伏見観光でも昨年に提案したPJも発足し本格的着手されている。今後の運用が重要。区役所の負担が増えるだけのあり方ではなく、局から人材や情報の提供など十分な具体的サポートが不可欠ではないか。
「子ども観光」:子どもから親に「京都に行きたい」とねだるような魅力の創出と発信が大事。和食版お子様ランチや子ども専用の和装レンタルなど工夫を重ね、業界と力を合わせて知恵を絞るべき。
「スポーツ観光」:ワールドマスターズゲームズが開催されるが、ジュニア世代も大事ではないか。様々な競技団体と連携し、ユース大会などを誘致して若い世代や家族が京都に来る機会を創出する試みも大事ではないか。
「自転車観光」:東京や大阪と比べコンパクトな地域特性がある京都市では、市バスやマイカーで渋滞する宿命がある。自転車観光充実の視点が大事。タンデム自転車の利用促進やレンタサイクル業者への支援などを充実するべきである。

上記で紹介した「PDDDCAサイクル」という概念は、早稲田大北川正恭名誉教授があるセミナーで紹介したもので、単なる検証(チェック)ではなく、徹底した協議(ディスカッション)と決定(ディスプレッション)を重視するものです。厳しい生存競争をしている民間企業だけではなく行政においても極めて重要な観点だと思います。

その後の一般質問では、「伝統産業」「コンテンツ産業」「京北地域活性化」などが取り上げられました。

午後の交通局では、理事者紹介と事業概要説明の後に、3月に開催された「市バス・地下鉄経営ビジョン検討委員会」の審議状況が報告されました。ここで話し合われた「ビジョン」について私から重要な点を質疑。下記に紹介します。

「お客様増加策」は、コンテンツ産業との連動が重要。アニメイベント時などでコスプレイヤーが地下鉄乗車するような企画を推進し、運賃の減免等の支援策も検討してはどうか。「駅ナカ朝活」という新しい試みも注目されている。積極的に柔軟かつ斬新なプランに挑んでいただきたい。
「質の高いサービスの向上」では、インバウンド対策として好評である「バス待ちおもてなしコンシェルジュ」に注目。混雑するシーズンや時間帯に偏らず、きめ細かな運用が求められる。コスチュームも好評なので活躍してもらいたい。
「分かりやすさの向上」では、バス待ち環境の向上について進化はしているが、今後の高齢化時代・インバウンドへのサービスのため、時刻表を拡大する必要があるのではないか。
「安全走行」と「混雑緩和策」については、自転車との共存共栄の視点も考えていくべきではないか。レンタサイクルやシェアサイクルが進展する可能性がある中、ビジネス面ではライバルではあるが敵視するだけでは未来はない。運転手の意識変革も求められる。

5点のビジョンについて論じました。いずれも前向きな答弁でしたので、期待して見守っていこうと思います。

その後の一般質問では「事故防止問題」「運輸局からの処分問題」「バリアフリー問題」などが取り上げられました。最後の上下水道局は理事者紹介と事業説明がありましたが一般質問はありませんでした。

委員会選任後はじめての質疑であったため、総体的な議論となりましたが、今後は具体的なテーマがきめ細かく話し合われると思います。幅広く取材して有益な質疑ができるよう頑張っていこうと思います。

なお、総務消防委員会に「市税条例」改正案が付託され、各会派が議員会を開いて協議します。通年議会が導入されない時は、5,9,11,2月の年4回の定例会でしか議案が審査できず、閉会中に緊急の議案が「市長専決処分」となる事例がありました。形式主義とならないために通年議会制が導入されたことにより、4月にも本会議が開かれたものです。

5月市会まで、あまり時間はありませんが、これからも研さんを重ねて京都活性化に貢献できるよう議論してまいります。 (^O^)/