京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

8月度教育福祉委員会

2017年8月9日

8月9日10時から市会第2会議室で教育福祉委員会が開かれ、西山信昌副委員長(下京区)とともに参加しました。

午前中は保健福祉局から「敬老乗車証に関する市民アンケート」について報告がありました。無作為に抽出した5,000人の市民へアンケート用紙を発送し、制度が抱える課題と今後も継続するため何が必要か、などについて生の声を聴くというもので、9月22日までに同封の封筒で返信する仕組みです。

深刻化する高齢化により高齢者を支える現役世代の負担がケタ違いに増えていく中、敬老乗車証の「応益負担」はある程度やむを得ないのですが、抵抗感の多いのも事実です。注目の課題ということで10人の委員が質疑に立ちました。

「市民周知が必要である」「交通事情の把握も不可欠」「アンケートの内容が一定の方向へ誘導するものでは」などと、様々な意見が表明されました。そのなかで、「無作為抽出」でアンケート用紙を送るのではなく、要望した人にも送ってアンケート結果に反映させるべきという意見も出ました。

私は、これは看過できないと考え最後に手を挙げ、「反対の人が大量に送り付けて来られたら、市民意識の正確な実態がゆがんでしまう。割合が偏ってしまうので賛同できない」と述べました。

同時に、「注目の課題なので1人でも多くの市民の意見を求める姿勢は大事。担当局に寄せられた意見を、アンケート結果と同じ時期に公表するべきではないか」と提案し、担当部長から「そのようにします」と答弁がありました。

その他、一般質問では「民泊」「健康長寿」「成年後見人」などについて質疑がありました。

午後からの質疑では、教育委員会から「京北地域小中一貫教育」について報告がありました。長い年数をかけて地域の合意形成を粘り強く進めてきて、ようやく本格的なスタートを迎える段階です。きめ細かで丁寧恵な住民説明が大事ですよね。

一般質問では、「学校統合」「LGBT」「英語教育」「図書館を利用する障がい者ヘのサービス」などの課題が議論され、有意義な質疑となりました。私は「図書館の充実」を取り上げ、8月1日に東京で開催された図書館セミナーで得た知見を大きく3点にまとめて紹介しました。

(1) 地方自治体の文化・教育・福祉・まちづくり政策に図書館の役割は大きい。筑後市の「書籍宅配サービス事業」は、高齢者見守り・地域パトロール・買い物弱者支援・シルバー人材就労などの諸課題を一括で対応する先進事例。
(2) 地域に根差す図書館は地域活性化の政策形成に大きく寄与する。市民の「自由と自立」を支える役割を持つ図書館は民主主義の砦であり、自治体の施策に住民の意思が反映されているかのバロメーターとの議論もある。
(3) 図書館は地域の歴史と文化の中核拠点 。図書館軽視は自治体の未来の可能性を損ねる。知のセフティネットである図書館は市民の知る権利確保に大きく貢献している。地域の潜在ニーズを把握する司書の役割は大きい。書籍購入費や司書の人件費を削減する優先順位は真の財政再建にならない。学校司書待遇改善も急務。

そのうえで、京都市の図書館行政のあり方を質し、図書館の価値を認めて地域特性を生かした活用を進めるとの力強い答弁を引き出しました。今後とも注目して議論を重ねていきたいと思います。

最後に、子ども若者はぐくみ局に対する一般質問では、8月2日に行われた「子ども・子育て会議」を傍聴した際に心に残った「児童虐待」問題を取り上げ、最近の傾向と課題、とりわけ心理的虐待の実態を重視して対策を練る必要性を論じ、深刻の度を増す貧困問題への的確な施策展開も訴えました。

その他、「子育て支援計画見直し」「ひとり親家庭の貧困対策」などが議論されました。具体的施策をリンクする総合的な取り組みが不可欠と実感します。教育福祉委員として、きわめて重要な課題を担当する事実を改めて自覚することができました。

猛暑の季節らしく「熱い」議論が展開され、充実の委員会になったと思います。これからも暑さを吹き飛ばして頑張ってまいります。やりまっせ~っ!!