京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

7月度教育福祉委員会

2017年7月5日

7月5日10時から市会第2会議室で教育福祉委員会が開かれ、西山信昌副委員長(下京区)とともに参加しました。

午前中は教育委員会から「小中一貫教育の取組」について報告がありました。少子化の影響による学校統合の流れの中で、京都でも小中一貫教育を同じ施設で9年間実施する「義務教育学校」が設置されています。同時に、別々の施設であっても連携して一貫教育を推進するというビジョンが示されており、これらについて各委員から質疑がありました。

合同の学校運営協議会のあり方について、実効性が大事との意見がありました。また、中学校の中には複数の行政区がまたがって校区を形成しているケースもあり、地域密着という点では課題が多いという指摘もありました。教員の定数や免許の考え方などの課題も提起されていました。党派を超えた実りある議論だったと思います。

私も手を上げ、下記の通り、課題を指摘すると共に提案などをしました。

(1) 地域事情で統合された「施設一体型」「施設併用型」以外のほとんどが「連携型」である。地元関係者や保護者の意識も地域格差があると思われる。すべての校区で「小中一貫教育」のビジョンを共有することが大事なので、他人事にならないようにしていただきたい。
(2) 学校運営協議会を合同で開催する意義も大きいが、それだけでなくPTAの合同会議も重要ではないか。桃山中PTAと校区内の3小学校のPTA役員の意見交換や情報共有が良かったと参加者から聞いている。今後各地域でも拡大してはどうか。
(3) 外部識者を招聘する公開授業を開催する際にも、校区内の小学高学年も参加することも効果が大きいと思う。連携のあり方を柔軟かつ効果的に進めて頂きたい。
(4) 英語教育や部活のあり方も、子どもたちの学力向上や情操発展のためであると同時に、保護者の安心や希望につながる。連携を深めて取り組んでいくべきである。

先日、伏見区の小栗栖中学校で行われた「見てわかる! 自転車安全教室」で、校区内の3小学校の6年生も参加しており、効果があったと聞いていまして、これを良い事例として紹介しました。「交通安全」以外にも「薬物問題」「ネット利用」「環境教育」「性教育」など、様々な多角的なテーマも同じだと思います。今後に期待したいです。

一般質問では、「学校給食」「高校学力格差」「教科書採択」などが議論されました。私も当初は学校関係の課題について取り上げる予定でしたが、小中一貫教育の質疑が長かったこともあり、別の機会にすることとしました。

午後からは保健福祉局。「健康長寿のまち・いきいきポイント事業」についての報告に対して、公明党からは西山副委員長が、小中学生が参加しやすい工夫が必要であると論じました。いきいきポイント事業を今以上に多くの人に認知してもらい、活用できるための方策の1つとして「夏休み前」のタイミングで小中学校のHRにて配布できたら良いのですが、なかなか難しいようです。ぜひ前向きに検討してもらいたいものです。

一般質問では、「敬老乗車証」「がん健診」「介護保険」「民泊」「高齢者就労支援」などについて質疑がありました。西山副委員長は「知的障がい者支援」をとりあげ、知的障がいのある方への情報支援については現時点では保護者向けの記述が多いが、今後は本人に理解できる内容とする工夫が必要ではないかと論じました。

子ども若者はぐくみ局では、「市営保育所の民間委託」についての報告がありました。保護者への丁寧な説明を求める意見に対して、理事者側からは具体的な数値を示して真摯な努力を重ねている実態が説明されました。ただし「保育の質が下がる」と決めつけて民間移管に反対する意見には理解に苦しみました。

反対する党派の委員の主張を聞いても、疑問が浮かぶばかり。民間よりも市営の方が保育の質が高いと言い切れるのか? 民間に移行したら子どもたちは不幸なのか? 市内8割の民間保育園は低レベルなのか?――。理事者側から保護者の不安を解消する努力を重ねるとの答弁がありました。長引きそうではありますが、粘り強い事業推進が望まれます。

私は、一般質問で「子乗せ自転車」を取り上げました。

(1) 平成22年度から実施された「3人乗り自転車レンタル事業」は現在終了しているが、事業の検証はどうか。手続きの煩雑さや実情に合わない制度設計を反省する必要があるのではないか。今後の「子乗せ自転車」に対して、過去の反省を踏まえて検討する必要があるのではないか。
(2) 大阪で開催された自転車利用ワークショップで「子育て世帯が暮らしにくい街」をどう脱却するかとの問題意識が取り上げられ、走行環境だけでなく「子乗せ自転車」も大事だという主張が発表され多くの共感を生んだ。この事実を重く受け止めて頂きたい。

かつて、京都市が自転車の前後に2人の子どもを乗せるタイプの自転車をレンタルする事業を実施していたのですが、ニーズに合わない等の理由で定着するに至らず、事業が終結しています。私としては中途半端が否めなかったという感想を持たざるを得ません。

双子や年子の子どもを育てる母親が保育園の送迎や買い物などで今もニーズは大きいにですが、あの当時は「講習を受けなければならない」「書類提出などの手続きが面倒」「レンタル期間が実情に合わない」などの声が聞こえてきて、そのつど改善を求めてきた経緯があります。私個人の意見は、3人乗り自転車レンタル事業の検証を踏まえ、反省するところは真摯に反省し、「邪魔臭い」と敬遠された点については改善していかなければ、多くの子育て支援の政策も「絵に描いた餅」になってしまいかねかいと考え、踏み込んだ指摘をさせて頂いた次第です。

他の委員からは、「子ども子育て会議」「病児保育」が取り上げられました。重要な課題が山積みだなぁ~というのが実感です。

終わったのが、夜7時半! ヘビーな委員会でしたが、各委員も真剣に準備しての質疑なので、私も負けずに精進していこうと思います。次回の教育福祉委員会は、月末に2泊3日の日程で他都市調査を予定。現場の空気を吸ってどん欲に先進事例を学んでいこうと決意しています。

やりまっせぇ~っ!!