京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

4月度教育福祉委員会

2017年4月25日

4月25日は10時から本会議が開かれ、平成29年度京都市会の定例会がスタートしました。会期は来年3月23日までの333日間という長丁場。二元代表制として機能するための通年議会として、“常在戦場”でフル回転していく本格的な出発です。

本会議で開会が宣言された後、3つの常任委員会が開かれました。今年度、教育福祉委員会に所属する私は、西山信昌副委員長(下京区)とともに第3会議室へ。学校教育と生涯教育を担当する教育委員会、医療・介護・年金などを担当する保健福祉局、子育て支援と若者支援を担当する子ども若者はぐくみ局の3局に質疑する委員会です。やりがい満点、武者震いです!

午前中は教育委員会。今年度の初回ということで理事者紹介と事務事業概要の説明があり、その後に「指導力不足教員の分限免職」に関する報告がありました。54歳の男性中学校教員が、数年前から苦情が寄せられるようになり、特別な研修を受けても改善が認められないとの理由で免職となりました。不祥事以外で免職という処分が出されたのは初めてのケースです。

私は、時代の変化や指導要領のレベルアップに対応する応用力が大事と論じ、教員の質の向上のため、若年の教員だけでない他の世代、特に過去のやり方が通用しにくい実情に戸惑い苦しんでいる中年世代の教員へのフォローアップの充実を求めました。

午後からの保健福祉局では、リハビリセンターと児童福祉センター、こころの健康増進センターの施設を一体化する計画の説明があり、西山副委員長が福祉サービスの中でもハンディを背負っている方々への“ワンストップサービス”の充実が不可欠と論じました。

私は、「障害者福祉サービス事業所の行政処分」に関する報告に対して質疑。昨年、ある施設で障がい者への虐待があるとの通報があり、障害者虐待防止法に基づく調査と障害者総合支援法に基づく監査を実施したところ、4件もの事案が判明したのですが、当初は虐待の事実を認めなかったどころか再発防止策も行っていない事実が明らかになったのです。

私は、その事業所の職場風土、特に患者を重視しないという意識を最優先で改革するべきと指摘したうえで、あわせて無責任なバッシングも良くないと論じました。複眼的な視点が大事です。看護の道を歩む人は例外なく慈しみの心を持っているはず。それが、多忙などの理由で心身の余裕を失った挙句に利用者に対して暴言を吐いたり虐待してしまうという悲劇を繰り返してほしくありません。再発防止には職場環境の整備を進めるとともに、医療や介護に従事する担当者のメンタルヘルスケアが大事だと論じました。

また、一般質問で「ディサービスの送迎」を取り上げました。地域包括支援事業の大きなウエイトを占めるディサービスが定着していますが、送迎スタッフの高齢化や事故防止などの安全面の対策が、近い将来に大きな問題として表面化するとの懸念を表明。同時に、高齢化の進行に伴う需要拡大への対応が求められている中で、新しい可能性を提起しました。

それは、送迎車両で家とディセンターを結ぶ現在の在り方を一歩進めて、商店街や医療機関にも立ち寄るという、まさに包括的な「高齢者移動支援」に拡充するというアイデアです。これまで、「買い物弱者」「医療弱者」対策として新しい公共交通手段であるオンデマンド交通を研究していたのですが、実現性が薄いという実情に直面していました。様々に研鑽し試行錯誤を重ねた結果、すでに現在ディセンターの送迎で活用している車両を有効利用することが、最も現実的な対策だと考えたのです。

まったく新しい観点の提案ということもあり、理事者からの答弁は困惑したものでした。仕方ありません。まだまだアイデアの段階なので、将来の大きな可能性として今後も研究を重ねていきたいと思っています。

次に、新設された子ども若者はぐくみ局への質疑では、「若者支援」を論じました。なかでも、引きこもり問題は当事者にとっては苦悩の極致と言っても過言ではありません。10代のケースでは不登校から引きこもりとなるケースが多いですし、中学卒業や高校中退の後は市教委の手を離れてしまい、その場合は家族等が窓口に来ない限り放置の状態となっているのではないか、との懸念を論じたのです。

局側の答弁では、縦割りを超えたコミュニケーションを心がけ、綿密にコーディネートしている取り組みが報告されました。今後の進展に期待したいです。そのうえで、過去の市民相談を踏まえ、私学の学生が不登校や中退した事例へのフォローアップも重要だと指摘しました。様々な情報を提供し共有するプラットホームの在り方なども大事だと思います。

続いて、「子育て支援」については母子手帳を取り上げました。母子手帳は出産前後の母親にとってかけがえのない必携のグッズです。多様化する時代にあって、育児の常識や知見がおばあちゃん世代と大きく変わっている中で、世代間の意識ギャップが懸念されこともあるので、母親向けの分だけでなく、別冊版で祖父母や地域向けの「赤ちゃん手帳」を作成したらどうか―と提案したのです。地域ぐるみの子育て支援の時代を象徴するのではないかと思っています。なんとか実現できないかなぁ・・・。

また、「児童館職員の待遇改善」についても論じました。これは、昨年9月の本会議代表質問で保育士の待遇改善が大きな潮流となる中で児童館が置き去りであってはならないと指摘し、職員の待遇改善を要望したことを受けた議論です。何事も継続が大事ですからね!

京都市においても一定の改善は実現しており、その点は評価できるのですが、今後も一層拡充してもらいたいので、声を大に訴えました。同時に、児童館をはじめとする最前線の現場の声を重視するべきと論じました。子育て支援日本一を目指す京都市の重要な課題の1つですので、今後も議論を重ねたいと思っています。

夜の6時半までの濃密な委員会でした。クタクタですが充実感でいっぱいです。京都市会の大きな特徴は、月2回の常任委員会で一般質問がもれなく実施されていることです。しかも時間無制限のガチンコ。行政側にすれば負担かもしれませんが、市民目線の政策を推進するための重要な言論戦の場であり、我々議員にとって貴重な訓練の機会でもあります。これからも気を引き締めて頑張ってまいります!!