京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

9月市会集中審議レポート

2016年10月26日

9月21日から10月26日まで、9月市会集中審議が開かれました。長丁場の総括レポートをお届けします。

今市会は、27年度決算と補正予算案を審査しました。市民の皆さんからお預かりした大切な税金の使い道をチェックし、より良い政策へ昇華するための議論を積み重なるきわめて重要な正念場です。

9月29,30日に本会議代表質問が行われ、公明党議員団は30日に大道義知議員(南区)に続いて、吉田たかお、かわしま優子議員(ともに伏見区)が登壇。

大道議員は、「地域経済の活性化」「中小企業経営力強化」「災害に強いまちづくり(レジリエント・シティ戦略等」「夜間景観政策」などを論じ、かわしま議員は、「子どもの貧困対策」「健康寿命の延伸」「医療用ウイッグへの助成」「書道文化の振興」などを質疑しました。いずれも前向きな答弁を勝ち取ることができました。

私は公明党の2番手で登壇。下記の5点を論じました。(写真左)

(1) 地球温暖化対策は人類史的な重要課題である。来年は京都議定書より20年。パリ協定を機に加速する国の温暖化対策をけん引する京都市の使命は大きい。京都市地球温暖化対策計画の改定を急ぎ、今後のビジョンと具体策に着手するべきである。
(2) くらし環境委員会の年間テーマをスポーツ振興と定め、議論を深めている。関西各地で開催されるワールドマスターズゲームズを5年後に控え、ハード面の充実を急ぐとともに、ソフト面も大事である。公明党議員団が提言した「スポーツボランティア制度」や「市民スポーツサミット」など新たな施策展開を加速させていくべきである。
(3) 京都市の自転車政策は、大規模な観光型シェアサイクルを拙速に導入するのではなく、自転車走行環境の整備や損害賠償保険の普及、マナー向上への施策をスピードアップするべきである。
(4) 万一の災害時における適切かつ円滑な避難所運営を目指して、「避難所運営マニュアル」を各地域で作成し、それに基づいた防災訓練を実施しているところであるが、それに加えて、「HUG」や「DIG」など様々な訓練手法を積極的に活用して住民意識の向上を図るべきではないか。
(5) 待機児童問題が大きな波紋を呼び、国として保育士の待遇改善を進めるとの方針が明らかとなったが、児童館職員が置き去りになってはならない。国と連携して児童館職員への待遇改善を図って頂きくことを強く要望する。

門川市長から前向きな答弁がありました。期待して見守りたいと思います。それにしても、質問原稿が出来上がるまでは、政務調査や深夜の執筆、議員団会議を受けての書き直しなど、ホンマ大変でした。頑張って良かったです。!(^^)!

10月に入ってからは、決算特別委員会が始まりました。私は、副委員長という重責を拝命し、行財政改革や経済活性化、産業と観光振興、文化芸術、スポーツ、区政などなど、重要な政策課題を担当する第1分科会の主査を務めました。

議事を進行する立場なので、当然ながら質疑は出来ませんが、気を引き締めてパワーを全開し、6日間の分科会を朝10時から夕方6時過ぎまでフル回転で乗り切りました。

市長への総括質疑を終えた議会クライマックス。10月20日のくらし環境委員会では、ようやく質問が出来ました。(写真右)

(1) 文化庁が本格的に移転することが決定した。「伝えるチカラ」を強化し発信力アップが大事。文化芸術の行事を告知するあり方もHPと市民新聞だけではなく、1度来場した市民にはチラシ郵送やメール送信するなどキメ細かな発信をしてはどうか。各種イベントも写真NGが当たり前であってはならないのではないか。パネラーの了解を取るなどして、極力撮影OKとなるよう再考するべき。
(2) 歴史資料館と考古資料館への議論が出たが、箱もの行政への批判がある。財政も厳しいおり建て替えや府の施設との合併は市民理解を得にくい。ただし収蔵物を保管する環境整備にはお金をかける必要がある。また高齢化を見据えたバリアフリー拡充も大事である。
(3) 世界遺産である二条城の来場者へのサービス向上は極めて重要。掲示板・説明板のあり方は「〇〇禁止」ばかりが目立つ。利用者への暖かなまなざしや心づかいが重要ではないか。
(4) 地球温暖化対策計画の早期着手を本会議代表質問で求めたところ、迅速にパブリックコメントを開始されたことは迅速な対応であり心強い。市民意見募集は環境団体や大学関係者、エコロジーセンター来場者等だけにとどまらず、地域団体やPTA、おやじの会にも積極的に募ってはどうか。環境教育の具体的施策を充実していくべきである。

いずれも、前向きな答弁がありましたので、引き続き議論を重ねていこうと思います。もし、議論の模様を視聴したいと思う方がおられれば、京都市会HPの録画中継を閲覧してください。
http://www2.city.kyoto.lg.jp/shikai/chukei/ustream/kurashi.html

さて、10月21日からは断続的に議員会が行なわれ、議案への態度を協議するとともに、国に送る意見書や市への決議などを話し合う日々が始まりました。最終版の25日は午後11時にようやく帰宅できるくらいの多忙さでしたが、議員団の団結で乗り切ることができました。

26日の最終本会議では、各常任委員会からの報告の後、決算特別委員長の報告を受けての討論が交わされ、公明党からは平山よしかず議員(西京区)と国本友利議員(左京区)が登壇。厳しい財政状況の中で、弱い立場の市民に寄り添った政策を推進することを訴えました。

その結果、平成27年度会計決算議案及びその他の議案計84件の議案が、認定及び可決されました。また、8つの意見書と、1つの市会決議が可決しました。

自民党提案の「建設労働者のアスベスト被害者の早期救済とアスベスト問題の早期解決を求める意見書」「東日本大震災による避難者用無償住宅支援の継続を求める意見書」と、民進党提案の「地方財政の充実・強化を求める意見書」「パリ協定の早期批准を求める意見書」の計4本に加え、公明党が提案した下記の4本も無事に採択されました。

① 無年金者対策の推進を求める意見書…munenkin.pdfをダウンロード
② 返還不要の「給付型奨学金」の創設及び無利子奨学金の拡充を求める意見書…shogaku.pdfをダウンロード
③ 同一労働同一賃金の実現を求める意見書…douitu.pdfをダウンロード
④ チーム学校推進法の早期制定を求める意見書…team.pdfをダウンロード

また、TVなどでも大々的に取り上げられた「京都市美術館の再整備に関する決議」については、公明党は賛成しました。内容は、bijyutu.pdfをダウンロードです。

1ヶ月以上にわたった長期戦の集中審議が終わりましたが、次回の11月市会は11月18日に議案が発送される予定ですので、もうあっという間です。気合を入れて準備していこうと思います。!(^^)!