1期目3度目の本会議代表質問
※1期目の第3回目の本会議代表質問。爽やか訪問やコスモス懇談会などの意見交換、現地調査を重ねる中で、市民目線の政策提言を志向して本会議で意欲的に質疑を展開しました。子育て世代の方々から寄せられた声が具体的な政策に反映したことなどが注目され、公明党結党記念日の1日後の11月18日(支援組織の創立記念日)の公明新聞1面にコスモス懇談会の模様が掲載されました(写真)。
≪質問≫【はじめに】
上京区選出(当時)の吉田孝雄でございます。公明党京都市会議員団を代表し、谷口弘昌議員に引き続き、市政一般について質問いたします。
言うまでもなく、私ども公明党は、庶民の生活を守るため、どこまでも誠実に、市民生活に身近な政策を提言し実現してまいりました。
本日は、京都活性化のため、現場第一主義で研さんを深めてきた様々な課題のうち、「公共交通」「ごみ減量化」「子育て支援」などについて質問させていただきます。市長並びに理事者におかれましては、どうか誠意あるご答弁をお願いいたします。
【地下鉄増客への総点検】
はじめに「公共交通政策」について、何点かお聞きします。公共交通、特に地下鉄の赤字解消は、京都市財政危機を克服するための最重要課題であります。1日あたり約4千万円もの赤字という深刻な事態に対して、多くの方々から「国にいっそうの財政支援を要望すべきである」との声があがっています。
私も同じ意見ですが、国の支援を勝ち取るだけの説得力ある再建計画にするためには、コツコツと集約して積み重ねた「市民の生の声」を反映させていくべきではないでしょうか。
お客様を増やし利益を拡大する「増収増客対策」については、企業や大学を誘致して通勤通学客を増加する取り組みが必要であるとのご意見、また観光客増加のためのショッピングモールやミュージアムなど魅力ある施設を誘致すべきであるとのご意見もあり、これらも当然、大事な観点であると思います。
それと並行して、もっと身近な、市民からの生活実感に根ざしたご提案やアイデアを積極的に求めてはいかがでしょう。現在庁内で若手職員のプロジェクトチームが設置されていますが、これを幅広い市民を巻き込んだ広範なものへ拡充していくわけです。京都を挙げて地下鉄増客への機運を盛り上げることが大事ではないかと、申し上げたいのでございます。
私は、今年度、交通水道委員会に所属させていただき、交通局に何度か足を運んで多くの理事者と意見交換しました。それだけでなく、訪問対話や懇談会などで、市民の皆さんのご意見を幅広く求めるとともに、地下鉄32駅すべてを現地調査しました。
常任委員会などで具体的な問題を提起させていただいたなかで、先月には地下鉄市役所前駅に市立図書館で借りた書籍を返却できる専用ポストが設置されました。今月にも地下鉄利用客へアンケートを実施されるとのことで、いくつかは実現の方向となっております。
しかしながら、いろいろと話をつめていきますと、いわゆる「縦割りの限界」がまだまだあるのではないかと感じています。
1つの例を紹介しますと、本来はもっと観光客が乗車してもよいのが地下鉄東西線の東山駅です。ところが、私が現地に行ったとき、春のお花見で平安神宮や美術館を訪れた方々がバス停で長い行列を作っておられ、バスが来ても車内がギュウギュウ詰めで乗れないくらいだったのですが、地下鉄まで歩く方は非常に少なかったのです。
周辺にも「地下鉄乗り場へ誘導する工夫」が見当たらなかったのを、残念に思いました。各局が協力して観光客の地下鉄利用を促進している取組みが、まだまだ改善の余地があるのではないかと実感した次第です。
そのあと、地下鉄の入り口付近で、海外からいらっしゃった親子が迷っておられるようでしたので、勇気を振り絞って「May I Help You?」と声をかけました。残念ながら私の拙い英語はなかなか通じず、その親子に平安神宮への道を説明するのに、かなりの時間を費やしたのです。
自分の英語力を棚に上げるつもりはないのですが、地上に出てすぐの歩道に、分かりやすい看板が設置されていれば良かったのにと思いましたし、今ある観光案内板をもっともっと大きくわかりやすいものにしてほしいなぁと痛感したので、対策を交通局に申し入れたのですが、歩道での設置や観光案内板は、他の局にもまたがる案件とのこと。だからといって、対策が遅れても良いとは、誰も思わないはずであります。
そこでお聞きします。岡崎公園をはじめ駅周辺の観光スポットを訪れるお客様を地下鉄に誘導するため、駅周辺に設置する看板や観光案内板を総点検し、大きさや表示をわかりやすく改善する事業を、各局が力を合わせて推進するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
【地下鉄増客への市民参加】
それ以外にも、同じようなポイントはいくつかあります。平日のお昼、通勤通学客以外の対象である主婦層の皆さんのご利用を増やすために、ターゲットを絞ったピンポイントのアンケート調査を実施するとか、文化市民局主催のイベントや教育委員会の行事などを地下鉄周辺の施設で開催することも必要ではないでしょうか。
また、駅周辺の公共施設の案内表示は所管する各局が提供されているとのことですが、これがバラバラで大変にわかりにくいので、統一したものに更新するべきです。しかしながら、これらも交通局だけでは不可能な事例なのです。
もう1つのアイデアは、毎月16日に地球環境にやさしい市民ぐるみの運動を展開している「Do You Kyoto Day」に合わせたキャンペーンです。
普段は自動車で通勤している方が「1日乗り放題乗車券」いわゆる1Dayチケットを購入する場合、現在600円するものをこの日だけ値下げして、初乗り運賃210円の往復420円よりも安く設定するキャンペーンを企画し、社会実験をしたらどうでしょう。
目に見える増客の結果が出れば、継続しても良いのではないかと思います。あるいは、毎月16日に市の主催行事を各局が回り持ちで地下鉄沿線にて開催し、その参加者には帰りの乗車券を無料にするなどという特典、いわゆるインセンティブを、主催する局が提供するという予算設定も一案です。これこそ、局を横断した融合の事業になるのではないでしょうか。
いくつかの問題提起をさせていただきました。しかし、1人の頭からでは限界があります。いろんな人のいろんなアイデアを、もっともっと募るべきだと申し上げたいのです。
現在、「地下鉄健全化有識者会議」が開催され、私も何度か傍聴していますが、たくさんの議題があるので、突っ込んだ議論に至らず消化不良になってしまわないかと心配をしてしまいます。
また、「まちづくり百人委員会」には、公共交通をテーマにした分科会がありましたが、先日第1期が終了しています。これをベースにしたうえで、さらに「増収増客」対策に特化させた市民アイデアを、はばひろく募っていく必要があるのではないでしょうか。
そこで質問いたします。京都の地下鉄を救いたいと願う市民の熱い思いを糾合したプロジェクトとして、「仮称:地下鉄救命市民チーム」を市長直結で発足させ、大々的かつ定期的に広報し、市民のうねりを起こすべきではないでしょうか。そしてそのチームのキャプテンに、ぜひ門川市長に就任していただいきたい。いかがでしょうか。ご答弁を求めます。
【パークアンドライドの充実】
3つめは、「歩くまち京都」の実現にとって大きな効果が期待される「パークアンドライド」についてであります。パークアンドライドは、CO2削減·観光客のおもてなし·渋滞対策そして公共交通の増収増客など、多角的な成果が期待される、まさに象徴的といえる事業であり、私も昨年の代表質問で「通年化の実施や幅広い広報」を訴えました。
うれしいことに、21年度から秋だけでなく春やGWそして土日に観光型パークアンドライドが実施されていますが、高速道路が無料になったら自動車の市内流入が加速するのではないかと懸念されており、迅速かつ具体的な充実が望まれるところであります。
現在も取り組んでおられる広報宣伝を、いっそう強化充実するべきですが、同時に今までにない斬新な取組みを、ソフト·ハード両面で立ち上げるべきではないかと申し上げたい。
まず、ソフト面では、ホームページのレベルアップが不可欠であるということです。京都市公式ホームページや観光情報システムは、着実に前進しておられると評価しますが、パークアンドライドにリンクしても、画面上に地図や料金表が表示される段階にとどまっており、大変に惜しいのです。
本年立ちあがった「ユニバーサル観光ナビ」が大きな反響を呼んでいますし、修学旅行ナビや交通局の洛ナビも好評です。ほとんどの車にカーナビが搭載されているように、今はまさに「ナビ」の時代。パークアンドライドのページも、ナビ形式に工夫すればどうでしょうか。
画面上で、「あなたはどの地域から来られますか」とか「京都のどこに行きたいですか」とかを選んでクリックすれば、使用する高速道路や降りるインターをお知らせし、出てから駐車場までの道順や駐車場から駅までの行き方を教えてくれるというシステムを構築するのです。
しかも、それをダウンロードしてプリンタから印刷することで、ドライバーの負担が軽減されますし、提携している駐車場や駅までスムーズに誘導することが可能になるわけです。そして、そのプリントを提示すれば駐車料金や交通料金あるいは提携している飲食店の食費などがお得になるという仕組みをプラスすれば、「京都に来てよかった」と喜んでいただける「付加価値」となっていくのではないでしょうか。
ハード面についてですが、私は先日2か所を現地調査してきました。1つは、昨年の秋にパークアンドライドに協力していただいた陸運支局。くいな橋駅に近いので大いに期待しているのですが、名神京都南インターから降りて市内中心部に行こうと思っても、国道1号線からその駐車場に入る道がややこしく、迷いやすいのです。一方通行だからなのですが、国や府とも交渉して、他府県の方が簡単に行けるようにしていただきたい。
もう1つは、現在建設中の高速道路「斜め久世橋線」のジャンクションです。ここは地下鉄十条駅から徒歩5分という絶好の場所なので、高架下のスペースをパークアンドライド専用駐車場にしてはいかがでしょうか。
幸い、土地は京都市の所有ですので第一段階はクリアしています。高速の出入り口と駐車場の共存は難しいかもしれませんが、同じような構造の近畿自動車道の東大阪パーキングエリアなどを参考にして工夫研究していけば、最新技術を駆使したより効果的な駐車場となるのではないかと、期待するものであります。
現在も各局の代表が参画されて「パークアンドライド」等を協議する「交通事業連絡協議会」が行われているとのことです。ぜひ、これまで述べたパークアンドライド推進のためのソフト·ハード両面での具体的なアイデアを積極的に検討し、順次実現していただきたい。いかがですか。ご所見をお伺いいたします。
【ごみ減量と環境モラル向上】
次に、ごみ減量化についてお聞きします。平成18年10月1日より家庭ごみの有料化が実施され、まる3年が経過しました。市民の皆さんから寄せられた生活実感に基づいた様々なご提案を、わが会派はじめ多くの先輩議員が提起されたことにより、20リットル袋や5リットル袋が創設され、高齢者や障害者世帯に対しての福祉サービスも制度化されるなど、市民協働の大切な取組みとして定着しています。有料化に伴って、京都市民の環境への問題意識が深まり、家庭ごみの減量が着実にすすむなど、大きな効果をあげているものと認識しています。
しかしながら、いくつかの課題が浮かび上がっているように思います。最近、資源ごみ袋からアルミ缶などを事前に抜き取るという行為が問題になっていますし、古紙やダンボールを回収する際の景品として、ティッシュの代わりに家庭用ごみ袋を交換したり、商店が売り出しの際の景品にするといった事例などが見受けられます。このような行為を繰り返す人たちは、家庭用ごみ袋を商品として扱っているのではないでしょうか。
もう一度、ごみ袋有料化の原点に立ち返って、市民と行政が協同してごみ減量をすすめるための「手数料」であると再認識する必要があるのではないかと申し上げたいのです。
また、ごみ袋販売に協力していただいているお店のうち、地域密着型の個店であるお酒屋さん、お米屋さん、雑貨店さんなどからは、スーパーやコンビニなど大型店と比べて条件面等で不公平ではないかとの声もよくお聞きしています。ご不満の契機になった部分には誤解も含まれているかもしれませんが、いずれにしても、今後も快くごみ袋を扱っていただくように努力と工夫をしていく必要があると考えます。
一般市民からの声については、現在も幅広く求め、積極的に応えていく努力をしておられるとは存じます。しかしながら、地域の懇談会などで「ごみ減量がどれくらい進んでいるのか見えない」という声をお聞きします。値段やサイズなどについてのご要望やご提案など、貴重な情報が寄せられても、それらを集約して分析した具体的データと将来への方向性が、市民のもとには十分に届いていないのではないでしょうか。
私がここで提起したいのは、3年が経過した今の段階で、ごみ減量化の検証システムを確立するべきではないかということです。市民しんぶんに定期的にデータやQ&Aなどを掲載するとか、現在ホームページで公開されている進捗情報を今以上に分かりやすく工夫するなど、様々な試みが考えられます。
ごみ減量と環境モラル向上に資するための「検証システム」を確立し、継続的に充実強化させていくべきであると考えますが、いかがでしょうか。ご所見をお聞かせください。
【レアメタルリサイクル】
あわせて、携帯電話などのレアメタルのリサイクルについてお伺いします。私は、昨年9月の本議会代表質問で、この問題を提起しました。また、ごみ減量審議会でも、有識者や市民の方から重要性が指摘されています。
これらを受けて本年6月8日から7月7日までの1ヶ月間、携帯電話リサイクルキャンペーンと銘打った社会実験が実施されたのですが、なんと目標の750台を大きく超えた、1,265台が回収されたとのこと。市民にも徐々に浸透しつつあると実感しております。
レアメタル、いわゆる希少金属のリサイクル促進は、資源の乏しい我が国にとっても、大きな可能性を秘めていると期待されています。実験で終わらずに、今後もこの取り組みを継続し、恒常的な取り組みとして拡充すべきではないでしょうか。
その問題意識で、3点提案いたします。1つは、社会実験の検証を早急にすすめ今後の計画を策定すること、2つは、回収ボックスを区役所に今後も常駐すること、3つは、レアメタルリサイクルの取り組みを産業界と学術界とも連携して推進し、いわゆる産学公での仕組みづくりを進めることであります。前向きなご答弁をお願いいたします。いかがでしょうか。
【子育て世代の支援―①3人乗り自転車】
次に、子育て支援の観点から、本年7月より解禁となった「三人乗り自転車」についてお聞きします。
ニュースや新聞で大きな話題として報道され、社会的関心も高まっているのですが、特別仕様ということもあって価格が4万円から8万円以上もすると言われており、まさにコストがネックになっています。
このままではウヤムヤになってしまう懸念も指摘されていますので、私は先日、地元上京区にお住まいのヤングママの皆さんにお話しをお聞きしました。子育てまっただ中のお母さんたちは、「安全性の高い車種は高額なので手が出ない」「でも、行政の支援があれば助かります」とおっしゃっていました。
そこで、他都市の取り組みを調べますと、群馬県前橋市では購入される方への上限額を設定した助成制度が、さっそく7月にスタート。また、東京都三鷹市ではレンタル制度を実施しておられ、1ヶ月1,000円のレンタル料で、事故や盗難、故障修理があった場合の保障も含まれているとのことです。
同じ近畿の兵庫県でもレンタル制度を協議中ということでして、京都府議会でも公明党の同僚議員が先日代表質問をしております。府とも連携をしていただき、ぜひとも前向きに推進すべきであると申し上げるものでございます。
具体的には2つの考え方があります。1つはレンタルの制度です。子育て支援のために国から提示されている「安心子ども基金」を活用すれば、この事業をレンタルという手法が可能になります。本市も京都府と連携すれば負担は最小限にとどまると試算されますし、2,3年めのレンタル料を初年度よりも下げるなどして、柔軟な価格設定にしていけば、普及までの一定期間の制度として効果が見込めるのではないでしょうか。
もう1つは購入を希望される方に助成金を支給すると言う手法です。これは一見予算が多いという印象がありますが、レンタルの際に想定される余剰分つまり使われない車両の存在が無いということもありますし、大きなトラブルがあったとしても普通の自転車を購入した場合と同じ自己責任となることで、逆に想定外のリスクは回避されるという利点もあります。
いずれにしても、安全性を確保する三人乗り自転車を利用しようとされるお母さんを支援する制度を、ぜひとも導入していただきたい。子育て世代の負担軽減と専用自転車普及促進のための有効な制度を検討し、具体的に実施していただくよう求めるものです。ご見解をおうかがいいたします。
【子育て世代の支援―②二世帯住宅】
最後に、子育て世代の市内回帰を促進する「住宅政策」についてお聞きします。本市では何年も前から、これらの世代が他都市に転出しておられ、市内の人口構造は30代40代が少ないという典型的な「ひょうたん型」になっています。
私の住む上京区では、この傾向がさらに顕著で、65歳以上の単身世帯が全世帯の1割に達しており、地域コミュニティーの活性化が大きな課題となっているのです。中京区や下京区の一部では新築マンションが増え、都心回帰の兆しが指摘されていますが、多くの旧市街では地蔵盆に子どもの姿が見えない町内が珍しくなく、同じような傾向が懸念されているのではないでしょうか。
私自身、地域を歩くなかで、まちのにぎわいを取り戻す追い風となる住宅政策はないものかと、模索を重ねてきました。
現在、「耐震改修助成制度」という取り組みがありますが、高齢者向け住宅という条件の場合は、なかなか手を上げにくいのではないかというご意見もあり、別の条件、たとえば1人暮らしの高齢者の方が家族と二世帯住宅に同居されるという設定なら、関心を持つ方が多いのではないかと考えたのです。
また、次期上京区基本計画の策定に向けて各学区の代表が参画されている「住民円卓会議」において、「結婚しても住み続けられるよう、居住環境を改善できる施策が必要である」というご意見が賛同を集めたとお聞きしました。
それらを踏まえ、私は新しい制度を提起したいと思います。結婚や就職を機に他都市に転出した人が、親の高齢化に合わせて実家を改築したり、新築して同居する際に、京都市内に戻ってくる場合に限定した「二世帯住宅」を促進する助成制度を創設してはいかがでしょうか。
他都市から子育て世代が帰ってこられれば、地域活性化につながると同時に、税収アップにも貢献すると考えます。ただし、今の段階では、この制度にどれくらいの方が応募してこられるかは、明確ではない状況です。
そこでお伺いします。子育て世代の方々に「二世帯住宅」への助成制度に関する意識調査を実施してはいかがでしょうか。他都市に在住されている方々が対象と言うことで、告知の点でネックはありますが、インターネットを利用する人が多い世代ですので、ネット投票方式などの工夫をすることも考えられます。前向きな検討をお願いいたします。
いずれにしても、市民の声を求め、集約する「市民参加」と、縦割りを乗り越えた「庁内の融合」、この2つが、大きなカギを握っています。そのことを心から期待し、私の質問を終わります。ご静聴、誠にありがとうございました。
≪答弁≫【地下鉄増収·増客】(門川市長)
吉田孝雄議員のご質問にお答え致します。まず、地下鉄の増収·増客に向けた市民挙げての取組についてであります。
危機的な状況にある地下鉄の経営健全化のためには、1人でも多くのお客様にご利用いただくことが肝要であり、吉田議員ご指摘のとおり、駅周辺でのイベントの開催や案内表示の設置、地球に優しい市民ぐるみの「DO YOU KYOTO?」運動など、市役所の各局がこれまで以上に知恵を出し合い、地下鉄の増客につながる事業を展開していくことが不可欠であります。
このため、まず局長級による全庁的な交通事業連絡協議会を設置するとともに、増収·増客策を検討する若手有志職員によるプロジェクトチームを発足させるなど、市役所挙げての取組を現在進めているところであります。
また、行政だけでなく市民の皆さんからも地下鉄をより一層ご利用いただくアイデアを募り、自分たちのものであるとの機運を醸成していただくことが重要であり、正に市民の皆様との共汗(きょうかん)で取り組んでいかなければ道は開けないと思っております。
市民の皆様には、これまでからも経営健全化計画案の骨子に対して多くのご意見を寄せていただくとともに、京都市バス·地下鉄事業経営健全化有識者会議でも熱心なご議論をいただき、更には未来まちづくり100人委員会においても、この問題について主体的に熱い議論を交わしていただき、行動へと結び付けていただく取組が進められようとしてます。
多くの方々と共に汗をかき、英知を集めていかなければならないと考えております。今後とも、市民の皆さんの主体的な取組と行政の多彩な取組を連携·融合することが大事であります。
さらに、そうした取組を充実させることにより、1人でも多くの市民の皆様に御理解·御協力いただき、地下鉄が持続可能な公共交通としての役割を果たせるよう私が先頭に立って地下鉄の利用促進の取組を進めて参ります。
【ごみ減量とレアメタル】(門川市長)
次に、ごみ減量と環境モラルの向上に資するための検証についてでございます。平成18年10月に家庭ごみ有料指定袋制度を導入後、市民の皆様の高い環境意識に支えられて、家庭系ごみの総量が平成17年度に比べまして、20年度は約20パーセント減量し、着実に制度導入による効果が上がってきております。
更なるごみの減量を図るうえでは、市民の皆様に有料指定袋制度の意義や効果を知っていただき、ごみ量や分別の状況などの情報を共有することが極めて重要であります。
これまでから、環境情報を市民しんぶん等でお知らせするとともに、本年1月からは本市のホームページにおいて、行政区別のごみ収集量の速報を毎月公表しております。
吉田議員ご指摘のとおり、市民が知りたい、聞きたいごみに関する情報や有料指定袋制による財源活用事業の効果について、積極的な情報発信に努めるとともに、ごみ減量効果等について市民に分かりやすい指標を設定するなどして、新たに策定いたします「京都市循環型社会推進基本計画」の進ちょく状況の管理等を含めまして、定期的に検証していきたいと思っております。
次に、レアメタルの回収促進についてでございます。レアメタルは、IT関連製品等の製造に不可欠な素材となっており、世界的な需要の逼迫と生産国の偏在等により、その安定的確保が極めて重要な課題となっております。
去る6月の環境月間における携帯電話のリサイクルキャンペーンでは、目標を大きく上回る回収量となるなど、市民の皆様の関心が極めて高いことが示されました。
今後、レアメタルリサイクルの確立に向けましては、全国的な電機メーカー·製錬事業者·消費者·研究機関及び行政の連携の下に、安定的な制度の構築が必要であると考えております。
吉田議員ご提案の「区役所等の公共施設における回収ボックスの設置」につきましては、プライバシーの保護等の課題もありますが、前向きに検討して参ります。
さらに、関西地域で初めての取組として、京都市が中心となりデジカメ·ゲーム機·電卓など15品目の小型家電製品を回収し、レアメタルをリサイクルするモデル事業を民間企業や大学研究機関とも連携し、年内に実施できるよう現在経済産業省及び環境省と協議を進めているところであります。
本市は、環境モデル都市としてレアメタルのリサイクル促進に関しましても、全国の先導的な役割を果たして参りたいと考えております。
【地下鉄の観光案内】(細見副市長)
私からは観光案内板等の充実についてお答え申し上げます。議員ご指摘のとおり、地下鉄駅周辺を含め京都の観光案内は、年間5,000万人を超える国内外からの観光客をお迎えする国際観光都市·京都として十分でないという認識を持っております。
市長からも、私をはじめ関係部局に強く指示されているところであります。京都市では、今日まで4箇国語表記によって観光地の位置や地下鉄駅の場所や出入口等を図示した観光案内図板や寺社等の方向を示す案内標識、それからライオンズクラブから寄贈された現在地表示板など順次拡充しており、現在市内には約1,700基設置されております。
しかし、海外からのお客様や京都に初めてお越しの方など、地理に不案内な観光客の皆様に安心して快適に京都観光を楽しんでいただくためには、従前のこれらの対応レベル·対応ペースでは到底応じられるものでなく、今抜本的な対策が求められております。
例えば、いずれも財源確保や技術的な課題を残しておりますが、市中の街角を、くまなく4箇国語表記により現在地の表示を行う、あるいは開発中の「京都まちあるきナビゲーションシステム」を採用するなど、いずれにしても今後は、観光客の視点に立ったより分かりやすい観光案内標識の在り方について、関係部局が一丸となって連携し、交通事業者とも協議しながら公共交通を利用した「歩いて楽しい観光」を推進して参ります。
【パークアンドライド】(由木副市長)
パークアンドライドの推進についてお答え致します。パークアンドライドにつきましては、自動車から公共交通機関への転換を図り、観光地及び市内都心部への自動車の流入抑制と環境負荷の軽減を図るうえで、大変有効な手段であります。
現在、国や府·近隣自治体·駐車場事業者等で構成する「京都都市圏パークアンドライド連絡協議会」の取組として、市内周辺部において鉄道駅に近接する既設の駐車場10箇所を利用し、土曜·日曜·祝日に継続実施しているところであります。
議員ご指摘のように、渋滞対策や市営地下鉄の増客·増収につながるパークアンドライドの推進に当たりましては、ソフト·ハード両面からの総合的な取組が必要であり、全庁を挙げて知恵を出し合って検討し、実現していくことが大変重要であると認識しております。
ご提案いただきましたユニバーサル観光ナビなどを活用したナビシステムや駐車料金等の割引、主要幹線道路からのアクセスの改善、現在建設中の阪神高速道路斜久世橋線の高架下利用等につきましては、いずれも誠に示唆に富んだアイデアであり、今後全庁的に検討し、できるものから実施して参ります。
【3人乗り自転車普及促進】(今井子育て支援政策監)
子育て支援のための「3人乗り自転車の普及促進」についてでございます。本年7月法令が改正されまして、一定の基準を満たした自転車につきましては、6歳未満の幼児2人を乗せ3人乗りで走行することが認められたところでございます。
これまでから、自転車の前後に子供用の補助席を付けて保育所等へのお子さんの送迎などに利用される方も多く、保護者や子供の安全性確保のためには基準を満たした3人乗り自転車の普及が求められております。
しかしながら、議員指摘のとおり、基準を満たした自転車は高価で、手軽に購入できるものとはなっておらず、普及の促進については課題となっております。
今後は、他都市の状況や本市の財政状況、また「安心こども基金」を実施している京都府との協議を踏まえまして、どのような普及促進の取組が可能か検討して参りたいと考えております。
【二世帯住宅への支援】(田辺都市計画局長)
二世帯住宅への助成制度に関する意識調査についてでございます。現在、今後の住宅施策の在り方を検討するために、京都市住宅審議会を開催しております。
審議会では、高齢者のみの世帯の増加による地域活動の低下、増え続ける空き家による近所付合いの希薄化、これをとりわけ都心部における住宅施策を進めるうえでの大きな課題としてとらえ、子育て世代等を地域に呼び込むための施策、空き家の利用、活用を図る方策についてご議論いただいているところでございます。
本市と致しましては、このような議論を受けまして、今後施策の具体化を進めて参りますが、住居をどこにどのように構えるかということは、正に生活の基盤にかかわる事柄であることから、施策の企画立案に当たりましては、対象となる世帯のニーズを十分に把握する必要があると考えており、議員ご指摘の趣旨も踏まえ、調査の在り方について検討して参ります。
(観光案内板をはじめとする地下鉄増客の提案、レアメタルリサイクル、3人乗り自転車、パークアンドライドなど、数多くの提案が実現しました。これからも当時の“初心”を忘れず、政策提言を積み重ねていこうと思います)