私の大好きな本の数々をつれづれに紹介します。

「条例で学ぶ政策づくり入門」 牧瀬稔

2010年7月29日

先日、日本アプライドリサーチ研究所というところから、どさっと封筒が届きました。

中を見ると、今年の4月に答えたアンケート調査の結果報告でした。都道府県会議員と政令市会議員のうちから、無作為に抽出した1,414件に調査票を送り、うち103件(7.3%)から回答が来たとのことで、私もその7%の1人だったと言うわけです。

内容は、大きな転換期を迎える地方自治のあり方が問われる中、何かと話題になる「政務調査費」「議員年金」「政策立案」について、意識や実態を明らかにするというもの。

そう言やぁ、一生懸命に記述したり、丸をつけたりしたなぁ・・・・と思い出しました。

そのなかで、特に印象に残ったのが、「議員提案政策条例を提出する意向はありますか」「すでに提出したことがありますか」「政策立案のためにシンクタンク等の民間調査機関との共同研究に関心がありますか」などなどの趣旨の質問があったのです。

「議員提出政策条例」――地方議会における議員立法のこと。立法機関である議会であるのに、政令市会等で議員から政策条例が提出されるケースがほとんど無いとの批判を、多くの書籍で読んでいたのですが、ここまで明確に(かつ露骨に)議員の喉もとに突きつけてこられたので、ビックリしたのでした。

ところで、報告書の主催者欄に「地域開発研究所・牧瀬稔」と記載されていたので、私は思わず息を呑みました。なぜなら、最近の私が一生懸命に読んでいる多くの書籍の著者だからなのです。

それが、表題の「条例で学ぶ政策づくり入門」と「政策形成の戦略と展開」、そして、その名もズバリ「議員が提案する政策条例のポイント」という、地方議会で政策条例を立案しようとする人向けの手引書たちなのです。

表題作の目次を紹介します。第1部「政策開発の視点」の各章のテーマが、「地方の時代の到来と求められる政策力」「条例の基礎的事項の確認」「いろいろと楽しいユニーク条例」「政策条例立案の視座」の4つ。そして第2部「政策開発の事例」、第3部「政策開発の思想」と続きます。

紹介されている、ユニーク条例とは、「方言で作成された条例(高知市)」、「子ども向けにひらがなを多用した条例(東京都豊島区)」、「雑草除去を目的とした条例(千葉県市原市)」、「めぐり逢い支援条例(青森県深浦町)」などなど。もっとたくさんあって、紹介しきれないくらいで、ホンマ、刺激を受けまくりです。

このホームページの、いろいろな場面で、「京都活性化」を目指すためにも、議会が変革しなければならない、その先陣を切っていきたいと、エラソーに述べていました。いよいよ、議員提出政策条例にも、本格的に取り組まなあかんと、決意しています。

昨年から今年にかけて、「介護施設」「在宅介護家庭」「子育て世帯」「ひとり親家庭」などを、角度を明確にして訪れ、現場の生の声をお聞きする「総点検活動」を実施しました。7月からは「商店街」もお伺いしていまして、こうした現地現場主義をベースに、本格的な政策立案を目指しているところです。

と言って、「オレらもこんな本で紹介されたい」とか、「名前を売り出したい」などのような、ヘンな色気を出しているのではありません。

地方分権と口では言われるものの、実際はどうなのか? 名古屋市長や大阪府知事などが、過激な言動でマスコミを賑やかし、既成の議会や議員に対して「これでえーんか!?」と、存在意義を突きつけているのが、現状ではないでしょうか。

私自身は、その中で本当に市民の役に立つ議員になるには何をなすべきか――という、正味の危機感に襲われています。

したがって、粘り強く、貪欲に、研鑽を深めるなかで議論を重ねて、京都市会が地方分権時代をリードしていけるよう、何とか貢献したいと、歯を食いしばって頑張っています。

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