「地方議会改革マニフェスト」 日経グローカル編
この欄で、定期的に書籍を紹介させていただいていましたが、多忙のため最近は更新が滞っており、ご心配をおかけしています。すいません。
8月以降も、新書を中心に20冊以上購入し、順次研鑽しているのですが、これの感想を書こうとしても、思い込みの激しい、コテコテの脂っこい文章しか書けないような気がして、一種のスランプ状態でした。(言い訳がましいですが、ホントです)
とりあえず、状況報告として、購入した主な書籍を報告します。
「市民・地域が進める地球温暖化防止」(和田武ほか)、「よくわかる地球温暖化問題」(気候ネットワーク)、「キャリア教育と就業支援」(小杉礼子ほか)、「日本の雇用」(大久保幸夫)、「イギリス型豊かさの真実」(林信吾)、「民主党の研究」(塩田潮)、「公務員大崩落」(中野雅至)、「二大政党制批判論」(吉田徹)、「日本大転換」(出井伸之)、「政策論争のデタラメ」(市川真一)、「文化の見えるまち」(森啓)、「「文化による地域づくり」(高嶋博)、「分権型地域再生のすすめ」(林宜嗣)、「日本辺境論」(内田樹)、「論争・若者論」(文春新書編集部)・・・・Etc
環境、雇用、文化、行政改革、福祉など、多岐にわたって読んでいるでしょ。また、僭越かもしれませんが、国政の方向についても目を配ることが大事ととらえ、研鑽していこうと心がけています。
さて、ここからが本題です。
上記以外に、最近は特に、「地方議会改革」に関心があり、佐々木信夫「地方議員」、日経グローカル編「地方議会改革マニフェスト」、上山信一「自治体改革の突破口」、林宜嗣「分権型地域再生のすすめ」を読みました。
いずれも、地方議会の在り方について、鋭い論及があり、大いに触発を受けました。これらの書籍で、論者は「中央集権から地方分権へ」と叫ばれている折に、自治体議会が旧態依然としてはいけないと強く指摘しているのです。
議会報告会、公聴会といった新しい形態や、一問一答の議会代表質問、理事者側の反問権、議員と理事者の対面方式など、各地方議会では様々な試行錯誤をしながら、1つ1つ改革の前進をしていることを学びました。
特に、私が注目したのは、2つあります。1つは、「議員同士の議論」を委員会等で実施している議会があるということです。私が当選してから京都市会で経験した常任委員会や特別委員会では、議員は理事者に質問するばかりで、答弁はもっぱら理事者。質問者以外の議員は傍観するだけです。
本会議や委員会で、議員が「○○を実施してはどうか」と政策提案して、理事者が「研究します」「検討します」と答弁するのですが、実際に施策として予算化したり条例に反映するかどうかは、あくまで行政側の「さじ加減」にかかっていて、発表までは議員は蚊帳の外なのです。
後日、「先日の委員会で質問した○○は、その後どうなっているのか」と聞いた時に、行政側が「△△頃を目途に実施します」と答弁したら、それが議員にとっての実績になるわけですが、「研究を重ねております」程度であれば、それはほとんど「無理かも」と受け止めざるを得ないということ。
これは、ある意味、議会側が弱い立場にいるのではないかと、問題意識をもってしまうのです。確かに、チェック機能を果たすことは大事ですが、二元代表制は首長と議会は対等のはずです。
もし、「議員同士の議論」が盛んになれば、どうなるか。ある議員が「わが市も○○を実施すべきである」と問題提起した際に、「私は○○には反対です。なぜなら・・・・・」「お言葉を返すようですが、今の議論は間違いです。なぜなら・・・・」といった白熱の意見交換が可能になるのではないでしょうか。
もう1つ、注目したのは、議員立法という観点です。国会ではよく聞きますが、地方議会では、議員側が条例案を提出したとは、あまり聞きません。これについても、少なくない議会では、議員が政策条例案を提出して、委員会等で質問に対して答弁をしているといいます。私自身、ある意味でショックを受けました。
これらは、すぐに取り入れるには、まだまだ時期尚早なのかもしれません。
ただ、京都市が活性化するために、議員1人1人の意識を改革し、斬新な発想で議会を取り巻く壁を破る必要があるのではないか――と、時おり思考する時があります。
私自身、怖いもの知らずの1期生です。大道団長はじめ、若手の意見具申に真摯に耳を傾けていただく先輩にも恵まれています。その幸運を生かし、自分なりに考えをまとめていきたいと考えています。
読者の皆さんは、どのように思われますか?